海外では多くのアジア系の人たちは現地企業で仕事をゲットしていると述べました。彼らの多くが小さい頃から母国で英語を日常生活で使用し、海外の大学や大学院に留学して、先進の知識を身につけています。日本でも80年代、90年代に多くの日本人が欧米の大学や大学院に留学しましたが、現在アジア諸国が大きく経済発展している中で当時の日本と同じようなことが起きていると思います。そういう人たちは母国では国の将来を背負ういわゆるエリートという人も少なくないのかもしれません。
なので、そういう人たちと競って仕事を勝ち取るというのは簡単ではありません。実際にそういう人たちの中でも、卒業後現地で仕事をなかなかゲットできずインターンでも何でも良いから仕事をくれという人も少なくありません。
例えば経理スタッフを募集すれば、履歴書のほとんどが現地の大学院で会計学を専攻し、CPAも勉強中あるいは合格済みというのがほとんどで、国籍は中国、韓国、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、インド、スリランカなど様々です。資格は公的にスキルがあることを証明するものなのでないよりはあるほうが当然良いのですが、上述のようにどの履歴書も、会計のマスターやCPAを持っている、一部合格済みとかだと資格や知識の部分で差別化を図るのがだんだんと難しくなってきていて、じゃあプラスアルファは何かというと仕事のスキルや多少でも職歴があるということが有利になります。
海外でも学校を卒業したからと言ってすぐ即戦力になるとは思われません。やはり実務経験を積むことで仕事のスキルや精度、幅が広がりその人の価値は上がるわけです。日本人は海外で現地企業の仕事をゲットできないと言われますが、決してスキルがないわけではなく、やはり英語あるいは現地の言葉が不十分というので大きく点数を落としていると思います。英語が流暢なアジア系の人たちが数多く海外に進出していることで、日本人=英語が不得手というのは海外では結構共通の認識になっているような印象があります。
私はもちろん日本人ですし、日本でのサラリーマン経験も長いので日本人とアジア系の人達(それ以外にも現地の白人などもそうですが)を比較することが出来ますが、総じて言えるのは仕事の処理の正確性や丁寧さ、期限をちゃんと守ったりチームプレイのうまさは日本人がダントツだと思います。もちろん個々で見ればアジア系の人たちもすごく能力が高い人もいますし、そうでない人もいます。日本人の間でもそれは同じことなので、どっちがどうと一括りにはできませんが、国民性みたいな観点でみると上記の特徴が日本人に顕著にあると思います。
これは日本人が日本で小さい頃から口酸っぱく言われているからできることで、やはり現地企業の上司からしても期限までにちゃんと提出してくれる、提出されたものにミスが少ない、相手のことを考えて細かいところにも気配りが感じられるとなれば安心感があって信頼できる部下となり得やすいので、日本人がより多く採用されてその辺が多くの人の目に映れば「日本人が欲しいね」となると思います。
そうであれば、仕事に関する資格やスキル、実務経験を日本で身につけるというのも、海外就職のための一つの方法としてありかもしれません。現在は現地の大学、大学院を卒業することで卒業生ビザをもらうことができるので、その流れが主流ですが、グローバル化が進んで学歴や資格だけで差別化が難しいとなってくれば、海外での職歴もプラスにみなされるようになってくるかもしれません。グローバル企業では業界でスタンダードになっているソフトやアプリケーションを導入していることも多いので、日本でも海外でもやり方や使用しているツールは同じということも珍しくないと思います。
日本は先進国で多くの外資系企業も進出してきているので、外資系企業で経験を積むことが出来ます。実際に私はこの方法で海外移住を実現していますし、現地の大学や大学院には一切留学していないので、そこにかけたコストはゼロです。日本から移住してその2年後に永住権の申請要件を満たして、そのまま永住権を申請して仕事をしながら9か月ほど経った頃に永住権を取得することができたので、非常にすんなり行きました。ただ、日本でのサラリーマン経験が長いので、そこから含めたらかなりの時間になりますが、日本でがむしゃらに働いて戦闘力はめちゃ上げていたので、海外でも現地企業でしっかり成果を出せてきたと思います。
日本で外資系企業に勤めるにはやはり即戦力が求められますので、新卒でいきなりという事例は非常に少ないのではないかと思います。なので、最初は日系企業で経験を積んで、数年後に外資系企業のスタッフ職などに応募して採用されたらそこからはがむしゃらに働いて経験値を上げるというのが良いのではないかと思います。
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