先日、6月13日のインビテーションの結果が移民局のサイトで公表されました。
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-in-australia/skillselect/invitation-rounds
招待状の発給数は5,292。発給数自体はコロナ以前と比べるとまだまだ多いですが、昨年12月の発給数である8,200と比べるとより一層引き締めに入っているような印象です。また、招待状が送られた申請者の最低スコアは職種にもよりますが、かなりコロナ以前の厳しい状態に戻っている感じになって来ています。
今回の特色としては基本的に頭を使う多くの職種が85点~100点、ガテン系の職業が65点からとなっています。以下は代表的な職種の結果です。
- 会計士、経理-100点
- 監査人-95点
- シェフ-95点
- ソフトウェアエンジニア-100点
- Registered Nurse-85点~90点
- 薬剤師-95点
- 総合医-85点
- 船大工-105点
- 建築家-85点
ガテン系の仕事:
- レンガ職人-65点
- 大工-65点
- 排水設備修理-65点
- 電気工事士-65点
- 塗装工-65点
- 配管工-65点
コロナ禍は去り、コロナ脱却の後の人材不足も終わり現在の住宅不足を考慮した結果?
コロナ禍やコロナからの脱却後の人材不足の時には多くの医療系の職種にビザ(永住権含む)が優先的に付与されてきましたが、今回はそれらも解消されたと見なされたのでしょうか?医療系の職種の最低点は軒並み85点以上と高得点になっています。
また、ここ10年、20年と永住権の取りやすい代表的な職種とされてきた会計士やシェフ。これらの職種はコロナ直前は最低点が100点近くにまであがりましたが、コロナ脱却後の人材不足の時には大分下がり、今回再び厳しい結果となています。今後再びコロナのような事態が起こらない限り、これらの職種の最低点は下がらないのではないかと想像されます。これらの職種で永住権を考えられている方はビザエージェントなどの専門家にアドバイスを求めることをお勧めします。
そして今回それらと対照的だったのがガテン系の職種。多くは住宅に関するものと思われ、現在オーストラリア全般で見られる住宅不足・家賃高騰問題に備えてこれらの職種の人を増やして住宅を増やしていこうと考えているのではないかと想像されます。
オーストラリアはコロナ脱却後の新たな時代に突入
昨年12月に発表された2024年の移民政策の方針に始まり、学生ビザの取得が以前より難しくなったりと大分様相が変わってきました。私の以前の投稿でも技術独立ビザに関しては度々述べてきていますが、2020年時と昨年の投稿と比べれば、今回の結果は2020年当時の投稿に近くなっていると思います。
オーストラリア-就職・移住-技術独立ビザ(subclass 189) 2020 | Hiro-M’s
昨年発表された移民政策の通り、オーストラリアは若くてスキルのある人を重視していると思います。基本路線は就労目的でなく本当に大学などでしっかり学業に専念して専門性を身につけたい人に学生ビザを与えて卒業後に就労ビザそして永住権に繋げてもらう。あるいは企業がスポンサーしたくなるような人材に就労ビザを与えて永住権に繋げてもらう。そうでない人にはオーストラリアで永住権を狙うのはハードルが高くなっていくと思われます。
カナダも今年の初めに学生ビザの発給数に制限を設けるとコロナ脱却時のゆるゆるの方針から転換しています。コロナ脱却時にオーストラリアに先駆けてビザの大量発給を行ったカナダ。その結果多くの移民がカナダにやって来て住宅不足が深刻になりオーストラリア同様、深刻な物価高、家賃高騰問題を抱えているようです。
「移民は必要だが移民の急激な流入は困る」ということでしょうか?
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