オーストラリアに行くことになった。滞在中に機会があれば運転してみたい。では、オーストラリアで運転するには何が必要でしょうか?どういうことに気を付ければよいでしょうか?
運転ルールは日本と基本的に違いはない
オーストラリアは日本と同様左側通行。なので、右側通行のアメリカなどで運転するのと比べて心理的、技術的ハードルは高くないと思います。現地の運転のルールを自動車学校などで勉強しなくても、信号や一方通行のサインなど基本的な事がわかり、法定速度をしっかり守っていれば初めてでも最初の30分くらいは緊張して運転したとしても、2~3時間も運転したら日本と何ら変わりなく運転できると思います。
唯一大きな違いとして挙げるなら、ラウンドアバウト(roundabout)でしょうか?ラウンドバウトは右側から来る車に進行の優先権があります。右側に車が見えたら自分は停止して右側から来る車を先に通してあげましょう。停止しないで進もうとすると「馬鹿野郎、追突されたいのか?」とばかりにクラクションを思いっきり鳴らされると思います。
また、オーストラリアは至る所にスピードカメラが設置されています。田舎のあまり車が走っていないところは別として、都市部やその近郊なら数百メートルごとにスピードカメラが設置されていることが普通です。カメラは運転手にも目視できるように設定されている場合が多いので(西オーストラリア州は隠しカメラを設けているところも多い)、法定速度だけは守るようにしましょう。罰金で数万円取られることになったら楽しいはずの旅行が一気に冷めてしまうかもしれません。レンタカーを運転していたらレンタカー会社に違反の切符が送られて、レンタカー会社からクレジットカードに罰金を請求されることになります。
免許はどうする?
観光客など短期訪問者なら日本の免許証を持っている人は日本の免許証でオーストラリアの道路を運転できると言われています(ただし、英語に翻訳されたものが必要)。ただし、ルールはそうであっても現地の警察官が把握していない場合もあるかもしれないので、運転されるつもりならできれば国際運転免許証を取得しておく方が無難かもしれません。「日本の免許証?バカ言ってるんじゃないよ。ここはオーストラリアだよ。だからオーストラリアの免許証か国際運転免許証が必要」なんて言われたら、警察官とやりとりするための英語力が必要になってきます。
また、オーストラリアでワーホリや留学などで生活する人で国際免許証を取得するか日本の自動車免許を持っていれば、オーストラリアの運転免許に無試験、書類提出と視力検査のみで書き換えられます(日本と違って免許証は州単位で発行されます。全ての州で無試験で書き換えられるか分かり兼ねるので詳細はご自身で該当の州の運輸局のサイトなどでご確認ください)。
2~3年とか移住など長期で滞在されるなら書き換え一択でしょう。国際運転免許証は1年しか有効期限がなかったと思います。日本で自動車免許証を取得済みなら簡単に書き換えが出来るので書き換えない手はありません。書き換えと言っても日本の運転免許証が無くなるわけではなく、日本とオーストラリアの運転免許証の両方を同時に所有することが出来ます(有効期限内である限り)。現地の運転免許証を取得すれば運転免許証の心配をすることなく自由に運転ができます。
オーストラリアの運転手の運転は荒い?
よくオーストラリアに旅行やワーホリ、留学などした人がオーストラリア人の運転は荒いというと思います。どこの地域が安全運転かそうでないかは人によって違うと思いますが、私の経験ではパース、西オーストラリアの人は運転が穏やかに思います。道幅もゆったりあり車線数も多いですし、そもそも、走っている車の数もシドニーやメルボルンなどの大都会と比べると少ないので。
シドニーのような大都会なら車線変更に関しては日本人ドライバーよりかなり頻繁にすると思います。1秒でも早く目的地に到着したいと言わんばかりにカーレースのように何度も車線変更してどんどん抜いていこうとする人、わざと後ろから超接近してこちらのスピードを上げさせようとする人、そしてスピード狂の人も多いです。自分の前が車半分ほどの隙間があれば、大抵の人が強引に車線変更で割り込んで来ますし、そうはさせんとばかりにブロックしてくる人とのバトルは至る所で見られます。私の経験の範囲ではシドニーはまだマシな方?メルボルンは本当に乱暴な運転の人が多く事故も日々あちこちで起きているのを見かけます。現在、毎日通勤で運転していますが、フリーウェイなんかはそれこそレース会場。ひどい時は20分程のフリーウェイの区間で4カ所事故などで渋滞していたため1時間以上かかったなんてこともあります。本当に勘弁。
右側車線は誰の物?
日本もそうですが高速では基本的に右側が追い越し車線となっています。オーストラリアも同様でスピードを出してどんどん進みたい人は右側車線から追い越して行きます。ところが、オーストラリアも日本と同様右側車線でものんびり走っている人もいます。早く進みたい人には本当にストレスです。
先日、フェイスブックの動画でそのような様子が投稿されていました。2車線のフリーウェイで右側の車が左側の車と同じ速度で並行して走っていて、後ろの車の人が抜くに抜けずいらいらして煽り運転している様子をその後ろの車が撮影していて「何やってるのかしら?本当に危ない」と嘆いていて、その投稿にたくさんのコメントが集まっていました。
様々な意見が集まっていてましたが、多かったのが「追い越す気がないなら左側車線を走るべき。『追い越しをしないなら左車線を走りましょう』と高速の看板も言ってる通り。それがオーストラリアの交通ルール」とか「右側車線をゆっくり走るのは逆に事故につながりかねず危険」といったものでした。この投稿からも多くの人がこのような場合、右側車線の車に対してストレスを感じると思われます。
もちろん、「右側車線だからと言って必ずスピードを出さないといけないというわけではないと思う」とか「もうちょっとお互いに心の余裕を持つべき」という心情的なもの、「動画はスピードメーターが映されていないので何キロ出ているかわからないからどちらが良いとも悪いとも言えないと思う」、「時速何キロで走っているのかわからないけど、どっちの車線でも法定速度を超えていたらアウト。仮に法定速度100㎞のところで左側車線の車が時速100㎞で走っていたら、右側車線の車は時速100㎞を超えて追い越して良いという事にはならない。そんなことをしたら右側車線の車がスピード違反でアウト。だからその場合、煽り運転をしている後ろの車がダメで左側の車と同じ速度で並行して走っている前の車が法的に正しいことになる」というような冷静なコメントまでありました。
オーストラリアで初めて運転される場合、特に急ぐ必要がない場合などはなるべく左側の車線を走ることをお勧めします。右側の車線を走っていると誰でもスピードを出したくなるものですし、周りの車に追い越されたり、前がチンタラ走っているとストレスになると思いますが、左側車線を走っていれば、逆に自分がゆっくり走っていて他の車にどんどん抜かれても気にならないと思います。そういう車線の使い分けでメンタルを健全に保ったり、事故のリスクを極力回避することも大事ではないでしょうか?
Comment
No trackbacks yet.
No comments yet.