オーストラリアで車を所有している人の中には運転中に車が故障などの不具合を起こした経験がある方もいると思います。私も夜中に運転している時にカンガルーに車を体当たりされたり、今回はタイヤが走行中にパンク。
そんな時は保険屋のロードサイド・アシスタンスに連絡しなければならないのですが、まぁ本当にこういう時は参ります。今回は結果的に早く直してもらえたので良かったですが、それでもいろいろ苦労はありました。そして、前回はひどかった。
都心から大分離れたところで故障が発生した時は保険屋には期待できない。
都心から200㎞以上離れたところでカンガルーにー追突され車が大破
カンガルーは夜行性動物で昼間は茂みに隠れて寝ていて夕方ごろから明朝まで活動します。光が好きで光を見るとそれに向かって突進してくる習性があるため、周りに街灯や住宅の光など全くない田舎道では夜間の車のヘッドライトは正にカンガルーにとって最高のごちそうのようなもの。追突されると車は大破します(上の写真の通り)。なので、人が住んでいるエリアは別として地方の町から離れたようなカンガルーが進出しやすい場所では夜間に運転するのを控える人がオーストラリアでは多いです。
そんなわけで、町中で故障が発生した場合はそんなに心配することはないと思いますが、問題は都心から大分離れたところで故障が発生した場合。以前、カンガルーに追突され車が大破された状態でロードサイド・アシスタンスに電話しましたが「今、どこですか?えっ、○○(場所)?200㎞以上離れてますよね。そんな遠くまでレッカーしに行けるわけないでしょう?」と逆切れ状態。
私「じゃあ、私はどうすれば良いんですか?周りには町もない人もいない、車も滅多に通らない一本道しかないところで身動き取れないんですけど?」
保険屋「車は動くんですか?エンジンはかかりますか?」
私「エンジンはかかりますけどカンガルーに追突されて車の前のほうは大破されて運転して良い状況とは思えないんですけど」
保険屋「エンジンかかるんなら車は動きますよね。ご自身で運転して帰ってきてください」。
私「いや、200㎞以上あるんですよ。大破した車を運転して良いんですか?」。
保険屋「車が動くんなら運転して帰ってきてください。」
結局、自分で運転して帰りましたが、修理屋に持って行ったら「えっ、この状態で200㎞以上運転して帰って来た?ダメでしょ。よく何事もなく帰ってこれたね。保険屋に電話しなかったの?」と聞かれたのでいきさつを説明したら「いや、そんなこと言う保険屋信じられない。ちゃんとクレームした方が良いよ。ふつうこれ見たら運転して帰って来いなんて保険屋なら絶対言わないと思うけど・・・」。
シティから離れた郊外でタイヤのパンクに気づく
また、今回はシティから50㎞程離れたところで車のパンクが発覚。レッカーには来てくれる距離でしたが、問題はそこからどこまで運んでくれるか?シティあるいはシティに近いところまでは私の保険の契約では運べないと言われたり、別の人はプラス料金払えば上限(私の場合は20㎞)を超えても運んでくれるなど人によっていう事が違ったりしました。結局、最後に話した人はやはり20㎞までしか運べないという事でレッカーされた場所からさほど離れていない修理屋さんに運ばれることに。オーストラリアはシティは公共交通機関が整備されていますが、シティを離れれば離れるほどバスや電車はなく車社会。修理してもらった車を取りに行くのも一苦労です。
電話でのやり取りに苦労
日本もそうだと思いますが、最近は保険屋にしても銀行、役所なども電話をするとものすごく待たされますよね。オーストラリアもこの点は日本と同じです。私の保険屋(上の時とは違う保険屋)はつながりやすく対応も迅速などカスタマーサービスの評価が高いところを選んだので、ほとんど待つことなくつながったのは素晴らしかったのですが、なかなか一回の電話のやりとりですべて解決とはいきません。何度も電話でやり取りしました。
オーストラリアの保険屋はたいてい「提携の修理屋はたくさんあるので万が一運転中に車のトラブルが発生しても迅速な対応で修理が可能」的な宣伝をしていますが、実際には週末などの場合は保険屋と提携している修理屋が閉まっていることも多く対応してくれません。
また、日本の保険屋さんなら保険屋から修理屋に連絡をしてくれてこちらの手を煩わせることなく全てアレンジしてくれると思いますが、今回の保険屋はそこまで親切ではありません。「近くの提携先の修理屋の電話番号をいくつかショートメッセージで送るので、電話して向こうと話してください」と必要な情報だけ与えて全部こちらに振ってきます。そして修理屋に電話しても電話に出なかったり、「今日は日曜だからうちはやってないよ。明日また電話して。じゃあ」という感じです。そしてまた保険屋に電話していくつか別の修理屋の番号をもらう、という繰り返しが何回も続き(携帯のバッテリーもほぼなくなり超焦りまくる)、挙句の果てに「今日は無理ですね。とりあえず。車の引き取りだけ行いますので、トラックが来るまで1時間ほどそこでお待ちください」となります。
私「で、車を引き取った後どうなるんですか?」
保険屋「今日はそのトラックが引き取ってその業者の所で保管されます。明日の朝、提携先の修理屋に持って行きます」。
私「どこに持って行くんですか?それで車はちゃんと直るんですか?」
保険屋「○○という町にある△△という修理屋まで持って行きます。車がすぐ直るかは修理屋で見てもらわないと何とも言えません。」
私「で、私はこの後どうすれば良いですか?」
保険屋「明日、修理屋に電話してください。今後の指示は修理屋と話して従ってください。」
私「後、シティの方まで戻りたいんですけど、ここからどうやって戻れますか?レッカーに来てくれるトラックに乗せてもらえますか?」
保険屋「えっ?それはこちらのほうではわかり兼ねます。では、こちらで対応すべき事は全てしましたので、これで失礼します。」
という感じで、ものすごく事務的な対応。結局レッカーに来てくれたトラックも「いや、私の仕事はあなたの車を引き取ることだけだから」という感じで乗せてもらえず😢(←基本的に乗せてもらえないと思います。ドライバーの人がよほど親切でない限り)。結局、Uber が使えることがわかり(←ラッキー)、最寄りの電車の駅まで行きシティまで戻ることが出来ました。
そして、翌日修理屋に朝電話しましたが、ひたすら待たされ続け電話を諦めました。保険屋から修理屋の住所も事前に教えてもらっていたので直接修理屋に行くと私の車が吊り上げられてタイヤが外された状態に。その姿を見たら涙チョチョ切れものです。「ちょうどいまさっき運ばれてきて、これからチェックするからちょっと待ってて」と言われ、30分もかからず直してくれました。
「もう普通に走っても問題ないですか?スペアタイヤと交換した方が良いですか」と聞きましたが、「いや、タイヤの状態もまだ全然良いからまだまだ走るし、ちゃんと直したから普通に走って全然大丈夫。タイヤを交換する必要はないよ」と言って頂きました。
パンクの原因は釘がタイヤに刺さっていたそうです。その2日前の夜にショッピングモールの駐車場から出る際に左折した時に車の後方で「バン!」という音と車に衝撃があったので、その時にパンクしたのだと思います。私はその時に車を壁にこすってしまったと思い、車を確認したのですがどこも傷ついておらず、「おかしいな、あれは何だったんだろう」と思ったのですが、まさかパンクだったとは思いもよりませんでした(人生で初めての車のパンクです)。
オーストラリアで自動車保険に加入する
日本でも自動車保険に加入する際に、賠償範囲やロードサービスに加入するかなど保険料と相談しながら考えると思いますが、オーストラリアでも基本は同じです。そして、広大な大陸のオーストラリアではとりわけロードサービス(Roadside Assistance)は重要になってきます。都市部なら人も多く安心ですが、地方に行けば一歩町を離れればすぐ周りは茂みに囲まれた一本道で携帯の電波は入らない、その道を次に車が通るのは数十分後、数時間後なんてこともザラです。ロードサービスの有無は命に関わることも場合によってはあるかもしれません。
ロードサービスに加入する際に考慮すべきことは以下の2点だと思います・
- どこまで車をピックアップしに来てくれるか(km)?
- どこまで車をレッカーしてくれるか(km)?
休みの際に車で遠出したいというのは誰にでもあると思います。オーストラリアは広大な大陸なので、車で200~300㎞ 先、500㎞ 先とかあるいはそれ以上遠出するという事は珍しくないです。そんな旅の道中で車が故障しました。町から離れて人も住んでいないひたすら直線の一本道。車も滅多に通らないような場所。しかし上で述べた私の体験の通り、オーストラリアのロードサービスは基本的に「故障ですか?ではどこまでも飛んでいきます!」というものではありません。私の経験のように「今、○○(場所)だって?バカ言ってんじゃないよ。そんな所までレッカー行けるわけないでしょ?」なんてことも。本当に凹みます。
なので、オーストラリアでロードサービスに加入する際にはどこまでピックアップに来てくれるか(何キロ先まで)、どこまで車を運んでくれるか(何キロ先まで)というのが非常に重要になってきます。カバーされる距離が長ければそれだけロードサービスの加入費用も高くなりますが、安心を買うという意味でもケチらずに一番長い距離のサービスに加入したほうが良いと思います。「私は町中で買い物に行く時くらいしか使わない。車で遠出はしない。」というような方であれば、一番短い距離でも構いませんが。
メルボルンで車を運転する場合は細心の注意を
さて、今回こういうことがあったから言うというわけではありませんが、メルボルンで運転して日々感じること。パース、シドニー(そしてもちろん日本も)と住んできたこともあり、車の運転に関して地域の比較も出来ると思います。
あくまで私の経験の範囲内なので、「そんなことない」とか「うちの住んでいる州の方がもっと運転は荒い」という人もいると思いますが、私の経験ではメルボルンは以下の理由で多分どの地域よりも細心の注意が必要だと思います。
- 運転が荒い、運転技術が低いドライバーが多い。車線変更はしょっちゅう。スペースがなくても強引に入り込んでくる。
- 道路に様々なものが落ちている。飛び石はしょっちゅう、ごみのようなものから木の板など様々
- 道路の整備状況が悪い。都心でもでこぼこ道があちこち
オーストラリアは結構運転の荒い人が多いという人もいると思いますが、私の経験ではパースは全然そんなことはなかったですし、シドニーにいた時は毎日のようには運転していませんでしたが、それでもメルボルンと比べるとそこまで運転が荒い人に遭遇した経験は圧倒的に少なかったと思います。
運転が荒い、運転技術が低いドライバーが多い
メルボルンはまずほとんどの人が頻繁に車線変更をしまくります(車線変更はシドニーやパースでも見られますが、メルボルンはとりわけ多いように感じます)。とにかく1秒でも早く目的地に着きたい。そんな感じの人ばかりです。前の車が遅く走ってる、と思った瞬間にウィンカーを出して、それと同時に車線変更。「いや、入れるスペースないだろう」という車間距離でも平気で前に入ってきます。これをみんながやる感じです。町中の道路でもそのような感じですし、高速道路はそれこそF1会場。サイドミラーの死角になっていてすぐそばの車に気づいてなくて車線変更しようとして、クラクション鳴らされて慌てて自分の元いた車線に戻るなんて光景もよくみかけます。なので、高速道路の至る所でしょっちゅう事故が起きて車線が封鎖され大渋滞が起きています。こんなに交通事故を頻繁に見たことはパースやシドニーはもちろん日本も含めて他にありません。
道路に様々なものが落ちている。飛び石はしょっちゅう、ごみのようなものから木の板など様々
世界で一番住みやすい都市に何度も選出されているメルボルン。パースやシドニーで暮らしてきて感じるのは「メルボルンごみめちゃくちゃ落ちてるな」という印象です。町中でもそうですし、高速道路とて同様です。トラックの後ろについて走ってると私の車のフロントガラスは砂や飛び石の連打です。たまに飛んでくるとかじゃないです。後ろにくっついている間は本当にじゃぶのように連打を食らいます。いつか割られるのではないかと思いながらこちらも車線変更をします。飛び石だけでなく木の板からプラスチック製品などなど高速道路に落ちていることも頻繁で本当に危ないと感じたことが何度かあります。
道路の整備状況が悪い。都心でもでこぼこ道があちこち
メルボルンを車で走っていると本当に凸凹した道が多いです。人里離れて普段あまり整備されないようなところなら理解できますが、メルボルンに関しては都心部でも結構あります。高速道路でさえ下道程ではないにしても結構凸凹してる道もあり、走行中に車が上下に大きく揺れることもしょっちゅうです。これもパースやシドニー、日本で感じたことがありません。凸凹の理由は単純に平らになるようにコンクリート舗装がそもそもされてなかったり(仕事が雑?)、あるいは道路の一部に陥没が出来たりしたときなどそこの部分だけ補修する際に補修する部分の周りのコンクリートと高さを均一にしていないので(これも雑な仕事)、凸凹になる。道路によってはパッチワークみたいにそういう部分が数十メートルごとにあってその度に車が左右あるいは上下に大きく揺れたりします。
それでもメルボルンの人の地元愛は世界最強
日本にしろオーストラリアにしろ、地元が一番というのはどこでもあります。パースの人なら「パースが一番」、シドニーの人は「シドニーが一番。メルボルンのどこが良いんだ」と言いますし、メルボルンの人は真逆のことを言います。日本でも県民性とかありますよね。しかし、メルボルンの人のメルボルン愛は中でも半端ないと思います。世界一住みやすい都市というのもそうですし、世界一おいしいクロワッサンなど世界一と称されるものも多いのもメルボルンの特徴のような気もします。本当にメルボルンから出るのが嫌ですし、メルボルン愛を語らせたら止まらなくなるような感じです。
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