オーストラリア政府がワーキングホリデービザの法律の改正を今月5日に発表し、最大で3年の滞在が来年7月より可能になることが発表されました。
ワーキングホリデーは協定国で1年間仕事も勉強もできるビザとして人気を集めていますが、オーストラリアのワーキングホリデーはこれまで1年目に政府が指定した地域で指定した職種の仕事に88日間以上従事した場合に2年目の滞在を認めるという制度があり、この制度を利用してオーストラリアで2年間滞在を満喫する人も多かったと思います。今回の改定はその2年目に政府の指定した地域(地方、田舎)でさらに6か月以上政府が指定した職種に従事した場合に3年目の滞在を認めるというものです。
https://japan.embassy.gov.au/tkyo/subclass417.html (英語)
https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/whm_changes05112018.html (日本語)
理由として農業関係のビジネスをされている人たちの間で起きている人手不足問題を解消するためだそうです。オーストラリアは農業大国でアラスカやハワイなどを除いたアメリカ本土とほぼ同じ大きさの国。しかし、アメリカが3億人の人口に対し、オーストラリアは2,400万超でほとんどの人が都市部及び近郊の町に住んでいる状況。
私が住んでいる西オーストラリア州でもパース及びその近郊にはオージーだけでなく多くの移民や留学生、駐在員、ワーホリの人などが住んでいますが、パースを離れると元々その土地で生まれ育った人や退職して年金暮らしの人がほとんど。ローカルのオージーはワーホリの人たちのようにファームなどで働くということは少ないと思います。そしてオーストラリアには基本的に四季があるのでシーズン、オフシーズンの差が激しく、シーズン中は猫の手も借りたいくらいめちゃくちゃ忙しく、オフシーズンはとにかくみんな休んでくれみたいな状況になり非常にビジネスをするのが地方は難しいです。なので人手が欲しいとなったときに雇用する側が頼るのがセカンドビザを狙うワーキングホリデーメーカー。
私も実際に地方で暮らして感じるのはファームなどに限らずワイナリーやレストラン、宿泊施設などもワーキングホリデーメーカーに依存している部分が非常に大きく、地方暮らしに興味があるもしくはラウンド中のワーキングホリデーメーカー(ラウンド=オーストラリア国内を車などで一周する旅)を積極的に採用しているところが多いように思えます。彼らはこれまでは1か所で最長6か月しか働けないという規制があったこともあり常に短期労働の仕事を求めていますので、雇用する側としても雇いやすいメリットがありましたが、雇う側からすると6か月というのは短すぎる。働き始めてトレーニングをして慣れ始めたころに6か月終了→再び求人募集→トレーニング→6か月終了の繰り返し。
これは西オーストラリア州に限らずどこの州でも同じ状況であろうというのは容易に想像できます。また、政府は人口が急激に増え続けているシドニー、メルボルンからいかに他の地域に人を移動させるかということも現在検討しているので、今回の措置はそれも理由の一つになっているのではないかと思います。
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