マレーシアは日本人にとっても人気の移住先、MM2Hビザはその際の定番ビザ
マレーシアのMM2H(Malaysia My 2nd Home)ビザの要件変更が大変厳しくなったということで波紋を呼んでいます。
ここ14年ほどは日本人にとって人気No1の移住先であるマレーシア。物価も安く治安も比較的よくクアラルンプールなら日本の都市と比較しても遜色ないくらい発展していて、食べ物もおいしく陽気なマレー人やインド、中国系の人達がマジョリティを占める多民族国家で常夏の国。インターナショナルスクールもあり、現地のローカルの学校でも授業は基本全て英語での授業だそうで、英語がペラペラなマレーシア人。シンガポール同様、そこで自分の子供をマルチリンガル(日本語、英語、中国語)な子供に育てようと考える富裕層ファミリーも少なくないとか。
私はマレーシアのビザに関しては詳しくありませんが、このビザの名前はよく聞きますし、多くの人がマレーシアに移住する際にMM2Hビザを取るようです。ビザの名称(セカンドホーム)から察するに永住権のように自分の生活の拠点を完全にマレーシアに置くというよりは本来は外国人にセカンドホームを買ってもらって休みの時などに海外からマレーシアにやってきてお金を落としていってほしい的な性格のものなのかなと想像します。ただ、取得要件が日本人ならさほど難しくなく、10年というかなりの長期の滞在期間が与えられるということで多くの人がこのビザで移住しているのではないかと想像します。
マレーシアへの移住は今後かなり困難?
これまでコロナでこのビザの申請がストップしていましたが、今回10月から新しい条件で再開することが発表され、その要件はいくつかあるのですが、今回変更された部分の一部は以下の通りです。
- 月収がRM40,000(40,000リンギット=約105万円)←これまではRM10,000(約27万円)以上あること
- 滞在期間はこれまでの10年から5年へ縮小
- 上の2条件は既にMM2Hビザを取得している人が、有効期限が切れて更新する際にも適用される
上の変更部分で多くの人に衝撃を与えているのが、月収要件です。26万円なら日本人にならさほど高くないハードルですが、その4倍近くの100万円超だと日本人にとってもかなり厳しいですよね。富裕層とまでは言わないまでも、サラリーマンで月収100万以上稼いでいる人は上位数パーセントではないかと思います。
この取得要件は既にMM2Hビザでマレーシアに移住している人がビザを更新する際にも上のルールが適用されるということで、現地での生活を満喫している人たちにも衝撃を与えているそうです。月収100万円を満たせなければ現在のビザの有効期限が切れた時点で日本に帰るか他の近場の国に再移住するかという大きな人生の選択をしなければならなくなるからです。私も海外に住んでいる身として、他所での出来事と片付けられず身につまされる思いです。
今回の変更はこれまでの低い取得要件で中国からの移住者が増えすぎてしまったことだと言われています。現在ではインターナショナルスクールでも授業は英語で行われていても、授業と授業の合間や休み時間などになるとみな中国語で話し出すそうで、中国語が母国語でない人たちからすると困る場面が増えてきたのが背景にあるようです。経済が大きく発展した中国の人にとっても月収26万円は難しくないのは想像に難くないと思います。
人気の移住先ランキングは変動するか?
今回の変更によってマレーシアは移住先として人気がなくなるか?マレーシアの旅行先としての人気や暮らしやすさなどの魅力が大きくなくなることはないと思いますが、月収100万円超の要件によって移住が難しくなったことで、人気の移住先ランキングからは大きく下がっていくようになると思われます。だって、住めなきゃ意味がないわけですから。
では、マレーシアが大きくランキングを下げた場合、次の人気の移住先はどこの国になるでしょうか?
- タイ、フィリピンなど近場の東南アジア諸国
- オーストラリア、ニュージーランド(オセアニア)
- 永住権の取得要件を緩めたカナダ
- ビザなしで陸続きに移動可能なヨーロッパ
タイ、フィリピンなど近場の東南アジア諸国
タイはマレーシア同様に物価が安く食べ物も美味しくまた、日系企業も多く進出していて日本人にとって暮らしやすい場所と言われています。バンコクなどはクアラルンプール同様かなり近代化していて日本の都市と比べてもそんなに劣らないとも聞きます。タイに移住する人は就労ビザやリタイアメントビザを取得する人が多いようです。
フィリピンも同様に物価が安く、陽気な人柄や開放的な空気が日本の空気を読まないといけいない文化や同調圧力が苦手な人にとって住みやすく思わせるようです。
オーストラリア、ニュージーランド(オセアニア)
オーストラリア、ニュージーランドは英語圏の国であり、陽気な国民性やせかせかせずのんびりした国民性、そして何といってもはっと息を吞むような美しい自然が至る所にあるのが魅力で、昔から人気の移住先として上位に君臨していると思います。近年はアメリカ同様永住権の取得が格段に難しくなったり、中国との距離を近づけて経済的な恩恵を大きく受けることで世界でも有数の物価の高い国になり、その意味での住みにくさが東南アジア諸国に人気を奪われた要因だと思われます。
しかし、マレーシアを始めアジア諸国は独裁政権も少なくなかったり、首相や王など巨大な力を持っている人の一声でルールががらっと変わってしまうこともあると言われ、今回のMM2Hビザの要件の変更はそのリスクを改めて浮き彫りにしたと見ることも出来ます。
オーストラリアやニュージーランドは白人社会で民主主義が浸透しているので、毎年ビザのルールは見直されマイナーチェンジや時に大きな変更もありますが、一定のデータや実情に基づき透明性を保った形での変更ですので、10年を超すような長期の移住を考えた場合、敷居は高いがクリアさえすれば案外安定を保てるのかもしれません。
永住権の取得要件を緩めたカナダ
カナダもアメリカに隣接し、英語圏の国で昔からワーキングホリデーや留学、移住先として人気のある国です。美しい自然に温厚なカナダ人の人柄。アメリカにも近く、メキシコ、中南米にも旅行しやすいロケーション。
昨年カナダ政府は永住権の取得要件を緩めてより多くの人がカナダに移住できるようにしました。恐らくコロナで壊滅的な打撃を受けた経済を回復させるための措置だと思われます。アメリカは昔から永住権の取得は無理と言われ、オーストラリアやニュージーランドは近年アメリカの状況に近づきつつある中で、カナダは思い切って方針を転換させたと思います。オーストラリアで留学などしながら何年も永住権に挑戦し続けてそれでも取れない人たちの間では、カナダに移ってカナダで永住権に挑戦しようかと考える人も少なくないようです。
今後、マレーシアに変わって人気の移住先としてトップに君臨する可能性のある国だと思います。
ビザなしで陸続きに移動可能なヨーロッパ
ヨーロッパにはシェンゲン協定というものが存在し、協定に加盟している国どうしならビザなしで移動できるような措置が設けられています。ヨーロッパ諸国は歴史も長くそれぞれ独自の文化を築いていて、旅行好きな人にとってはたまらない地域だと思います。実際にヨーロッパ人は仕事でヨーロッパ諸国を転々としながら3、4ヵ国語話せるようになる人も珍しくないようです。
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