
さて、オーストラリアで永住権といえばいくつか種類があり、すでに永住権を取得してオーストラリアで生活されている日本人の方は以下のいずれかの永住権を取得されている方がほとんどでないかと思われます。
1) 配偶者・パートナービザ(現地の人あるいは現地で市民権、永住権を保持している移民の人の配偶者、パートナーになる)
2) 就労ビザを現地の会社からサポートしてもらい、2年勤務した後永住権を申請
3) 州からの推薦を受けて地方で2年間就業して永住権を取得する(RSMSビザ、地方版就労ビザ)
4) 自分で自分のスキルを証明して自己推薦の下で永住権を申請(技術独立ビザ)
5) 一定金額をオーストラリアに投資する投資ビザ、退職者ビザ
オーストラリアに限らずどの国もそうですが、永住権はその国に利益をもたらしてくれる人には与えましょうというのがスタンスです。
なので、観光ビザのように簡単には取得できません。上記の永住権に関しても努力だけでなく運の要素が大きく占めているというのを否定できません。配偶者、パートナーが見つかるか、スポンサーしてくれる会社、州が見つかるか、技術独立ビザは一定のポイントを獲得した段階で運が良ければ永住権申請への手続きの案内が移民局から来るものなのでその案内が来るかどうか、投資、退職者ビザは数千万円という大金が必要なので自分にそれだけの大金があるかどうか。これらは努力がなければもちろん手にすることはできないものですが、努力さえすれば誰もが手にすることができるというものでもありません。運がとても重要になってきます。
また、オーストラリアは移民大国故、世界中からオーストラリアに移住したいとやってくる人が多く、中には難民を装ったり法の目をかいくぐって不正に入国しようとする人たちも後を絶たないという現状があります。PART1で述べた通り、アジア系を中心とした移民の急増も重なって、年々永住権の取得要件が厳しくなってきていて、審査の過程でのチェックも細かくなっていると聞きます。
これまでは1)を除いて2)や3)の就労ビザがスポンサーさえ見つかりさえすれば2年働いてその後永住権の取得は確実と言われていて、人気のルートとなっていましたが、昨年4月にビザの法律が改正されて、2)の就労ビザに関しては非常に狭き門となってしまいました。移民の急増に不景気が重なったのが背景にありますが、不正対策もあるようです。このビザ自体は本来オーストラリアで人手不足となっている職種(シェフ、IT関連、エンジニア系、経理・会計士など)あるいはオーストラリアで見つけることが難しい高度の専門スキル(CEO、部長職などの上級職)に限って、会社がスポンサーとなれば就労ビザを出しましょうというものでしたが、もともとシェフでないのにシェフとしてビザを申請してビザ取得後に別の職務に就かせるとか、ペーパーカンパニー、零細企業などでCEO、CFO、Managing Director といった不相応の肩書を付けて申請するなどといったことが後を絶たなかったため、新しいビザの法律では職種が大幅に狭められてしまい、現実的には2)の就労ビザから永住権という流れはごく一部の特殊な職種を除いては完全に絶たれてしまった感があります。
4)の技術独立ビザもスポンサーを必要としないで申請できるビザとして非常に人気が高かったのですが、それ故応募者が多く本来60ポイントを獲得すれば申請の意思表示(EOI)をして申請の案内を移民局からもらって手続きするというものが、最近は75ポイントとらないと案内が来ないとか今年1月のアカウンタントの場合は75点でも案内ゼロという非常に厳しい結果となっています。私自身点数を計算してみましたが、60ポイントもしくは65ポイントで多くの人がやはりこの辺りと聞きますし、75ポイントとなるとIELTSで総合スコアが8ポイント、年齢も20代後半から30代前半の働き盛りで、オーストラリアで学士あるいは修士を取っていてオーストラリアでの就労経験もある程度あるみたいな感じの人です。そんなスーパーマンみたいな人、周りで見たり聞いたりしたことありません。
なので、現状では配偶者・パートナービザかRSMSビザが永住権につながる確実な道だと思います。パートナーをゲットすべく一生懸命自分を磨く。あるいは州のスポンサーを得て地方で職業リストに載っている仕事をゲットするために履歴書を100通、200通手当り次第に送るなど相当の努力が必要ですが、運よくパートナーや地方で特定の仕事をゲットできれば永住権への道が近くなります。
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