オーストラリアの永住権取得の難易度が年々上がっていることは、これまでの私のブログや他の留学サイト、他のオーストラリアで短期あるいは長期で生活されている方のブログなどでも多く語られていると思います。私のブログでもこれまでに「現在はほぼ不可能になりつつある」ということを述べていますし、ビザや海外就職、海外移住、現在のグローバルな状況については下記の投稿で様々なことを述べています。
- オーストラリア-就職・移住-技術独立ビザ(subclass 189) 2020
- オーストラリア-就職・移住 – 職歴、資格を身につける
- オーストラリア-就職・移住 – 海外移住を実現するには?
- J-52 海外就職のリスクを覚悟する
- J-27 海外に出ることの意味1
- J-28 海外に出ることの意味2
- J-23 オーストラリアで働く1
- J-24 オーストラリアで日本人が手にする仕事
- J-25 オーストラリアでどういう仕事をゲットすべきか(移住・永住編)?
- J-13 オーストラリアで永住権を取得する Part1
- J-14 オーストラリアで永住権をゲットする PART2
- J-7 オーストラリアの雇用事情
- J-5 オーストラリアへ移住するには(2017年9月17日)
さて、先日、Linkedin でオーストラリア在住の方がオーストラリアの公共放送局SBSのウェブサイトに掲載された記事のリンク(下記リンク)を張って投稿したところ、多くのイイねや現在のオーストラリアのビザの状況に関して様々なコメントが他の方によって投稿され反響を呼びました。
‘Goodbye, Australia’: The migrants giving up on the Australian dream for Canada (sbs.com.au)
SBSの記事のタイトルは上記リンクの通り「バイバイ、オーストラリア。オーストラリア(での永住)の夢をあきらめてカナダへ移る移住者たち」というもので、インタビューを受けた移住者はオーストラリアでの永住を諦めた理由として
- 永住権を取るためのルールが厳しすぎること
- コロナ禍で政府がビザのプロセスを止めてしまった事
- コロナ禍で短期滞在者への金銭的な支援が政府からなく生活が苦しかった事
など挙げていて、オーストラリア政府に対する不満を漏らしています。この記事が Linkedin の投稿でリンクされ、現在オーストラリアで生活しながら永住権を目指している外国人移住者が同じような状況に陥っているコメントが多く投稿され、「オーストラリアで大学あるいは大学院に通い数百万円から1千万円を超えるような大金を払い、その後仕事をゲットして税金もきちんと納めているのにそれに対する見返りが全くなく、人生で一番働き盛りな大事な数年と膨大なお金だけが搾取されている」という不満が多く見られました。
私自身もこれまでのオーストラリア生活でこのような考えを持っているアジア系移住者に多く出会いました。これは今オーストラリアで永住権に挑戦している外国人移住者の共通の生の声だと思います。
私のこれまでのブログでも、
- 2000年頃はオーストラリアの永住権取得は容易だった。
- 近年はアジア諸国を中心に中間層が増え、オーストラリアや欧米など移民大国と呼ばれる国に大量に移住しにやってくる
- 移住者や富裕層による投資が急増し、これらの国の都市部では物価や家賃、不動産価格が高騰している
- 政府は自国民の雇用を守るためにビザを制限する方向に向かっている
といったことを述べてきました。また、
- 日本人にとってローカル企業での仕事のゲットは難しく夢見ている人が多い
- 一方でアジア系の人たちはどんどんローカル企業での仕事をゲットしている
ことも述べました。しかし、アジア系の人たちが皆仕事をゲットしているかというと、そうではなく日本人同様ローカル企業での仕事を夢見ている人たちもたくさんいますし、永住権を狙っている人たちも非常に多いです。要は求人の数に対して求職者の方が圧倒的に多く、ビザも発給予定数より永住権を欲しい人の数の方が圧倒的に多いのです。それだけグローバル化によって人の移動が容易になり、現在はアジア諸国の多くの人たちがオーストラリアや欧米などに移住しているということです。
以前は中国人や韓国人、東南アジア人が多かったですが、近年はそこにインド人、スリランカ人、ネパール人なども急激に人数を伸ばしているような印象があります。中国人などは昔から欧米やオセアニアへ移住する人がいましたが、人口14億人の国です。まだまだ移住してくる人はいますし、東南アジア諸国も経済成長が著しく中間層を増やし続けています。そこに、インド人やスリランカ人も参戦してきているような状況ですし、オーストラリアの場合、南米や南アフリカからも多くの人がやって来ます。当然同じ英語圏であるニュージーランドやイギリスからも来ますし、他のヨーロッパ諸国の人たちにとっても、オーストラリアは魅力的な国なわけです。
もし、あなたが日本からオーストラリアに永住したいと考えられているなら、ビザの争奪戦に関しては現在このような状況だということを理解しておいてください。また、コロナ禍で物価や家賃など多少は下がりましたが、めちゃ下がったわけではなく、日本と比べるとまだまだ全然高いです。その物価の高い国で永住権を取るまでどうやって金銭的にもやりくりしていくかというのも重要です。
カナダも年々ビザの取得要件を厳しくしていたと思いますが、昨年永住権の要件を少し緩めたと思います。これはコロナによって壊滅的な打撃を受けた経済を移民を増やすことによって再生させたいという思惑かなと思いますが、これによって、「オーストラリアがダメならカナダへ」と考える人が今後急増すると思われます。カナダは今はまだ移民の受け入れに多少余裕があるのかもしれませんが、5年後、10年後は今のオーストラリアのような状況になっているかもしれません。
アジア諸国や今後は南米、アフリカ諸国の人たちも中間層が増えると、やはり先進国に移住して、そこでお金を稼いで祖国の両親や家族、親せきなどに仕送りをしたいと考える人が増えるのは想像に難くないと思います。しかし、永住権という切符には限りがあり、ゲットできるのはごく一部の人たちです。今後、その競争はグローバル規模でますます激しくなっていくと思われます。最後の一枚の切符を手に入れられるか手に入れられないかはあなた次第で、そうならないうちに対策を立てて少しでも早く行動を起こすことが重要なことはいうまでもないことだと思います。
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