オーストラリアは全土で感染が抑え込まれていた日が続いていましたが、現在メルボルンでインド株が市中感染し始め再びロックダウンに入っております。
現在わかっているのはアデレードでホテル隔離を済ませ陰性の結果が出た人が、その後メルボルンに飛んだ後で陽性結果となり、その間感染に気付かず市中を出歩いてたため2次接触などを含めて1万人以上の人が感染者との接触の疑いがあるとされていて、200カ所以上の地域が感染者が出歩いた可能性がある地域とされています。5月27日から7日間の予定で始まったロックダウンですが、現在は更に7日間延長されています。ただ、新規感染者数は連日5―10人程度で、ここ2日は5人を下回っています。この調子で行けば再延長はないだろうとの見方が有力です。
オーストラリアは感染者の抑え込みが最重要
以前の投稿でも書きましたが、オーストラリアは感染者の抑え込みを最重要視しています。連日、州政府、連邦政府ともにプレスコンファレンスを行っていますが、そこには必ず日本の分科会のような人が同行しています。メルボルンのロックダウンも市中感染がインド株であることや2次感染、3次感染の可能性が大人数、広範囲にまたがっている可能性をぬぐえないことから5―10人程度の新規感染者でもロックダウンに踏み切りました。日本からすると無いに等しいような数字だと思いますが、それでもこちらではメディアも連日大きく取り上げている状況です。
日本はある時は「Go To」などのキャンペーンを行い分科会や医師会などからクレームが入ったり、別のある時は緊急事態宣言をして経済団体などからクレームを受けて、それに伴って政府の方針が右往左往しているような印象を受けますが、オーストラリアは医療の専門家の判断に基づいて政府が方針を決定するという場面が昨年の3月から初志貫徹でなされていて、ぶれないような印象を受けます。そして、国内の感染者を抑え込むことで、少なくとも国内の経済は少しずつ回り始め、実際に町中は多くの人が普通に飲食や旅行を楽しんだりマスクしないで普通に歩き回り、見た目はコロナ以前とさほど変わらないような感じになっています。
インド株には2種類?
最近こちらで大きく取り上げられているのがインド株と呼ばれているもののうち、非常に感染力が高くて危険なものをデルタ(Delta)株、デルタ株ほどの感染力がなく危険性が低いものをカッパ(Kappa)株としてデルタ株を注視しています。これはWHOの発表に基づいてそれに従っていると思われますが、メルボルンでもこのデルタ株が確認され政府はこれがメルボルンやオーストラリア国内の他の地域に広まらないよう躍起になっています。
オーストラリアは完全復活か?
台湾や東南アジア諸国なども感染者数が最近は急増している中で、ニュージーランドと共にオーストラリアは現在世界の中で最も感染者の抑え込みに成功している地域だと思います。国内経済もメルボルンを除いてはコロナ以前の半分から7割程度まで回復というところが多いのではないでしょうか?
先日、経済相が今年第一四半期のGDPが前年比で1.8%のプラスであったと発表し、「この数字はコロナ以前の成長率よりも上で過去最高だ。欧米や日本といった先進国が軒並みマイナスな中で我々だけが唯一達成した。」とアピールしていましたが、町中の実感としてはそこまでではないと思います。
また、オーストラリアは最大の貿易相手国であった中国と現在最悪の仲にあり当面この関係は改善されないと思われます。日本も他のどの国も中国との貿易が非常に大きな割合を占めていると思いますが、オーストラリアは日本以上に中国への依存度(比率)が高かったと思われますので、失ってできた大きな穴を埋めない事にはオーストラリアの経済は安泰とは思えません。近年再び日本とのつながりを深めようとする向きが見られますが、これを機に再び様々な分野で日豪で人の行き来が増えると良いなと思います。
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