10月1日の記者会見にて
昨日、オーストラリアのスコット・モリソン首相が記者会見でオーストラリアの国境再開を11月に行うことを公表しました。現時点でオーストラリア全土でのワクチン接種率が1回のみの接種者が78%、2回接種済が55%で目標の70%( 2回接種済 )まで計画通りに進んでいるそうです。
Next steps to reopen to the world | Prime Minister of Australia (pm.gov.au)
昨日の発表では:
- 具体的に11月の何日からという明言はなかった。
- 現時点ではオーストラリア市民、永住権保持者に限られる
- 渡航する人のワクチン接種状況によって隔離の要件が異なってくる
また、これに併せてワクチンパスポートの創設が進められていますし、 これまでオーストラリアに入国できずに外国に置き去りにされていたオーストラリア人や将来受け入れを再開するであろう旅行者や留学生などの短期滞在者などに対しては中国製ワクチンのシノバック(Sinovac)やインド製のコビシールド(Covishield)もワクチン接種の対象に含めることも公表しています。東南アジアやインドなどではファイザーやアストラゼネカ、モデルナと言った欧米系のワクチンを接種することがかなわない状況も見込まれての対策だと思います。
州政府の困惑
今後の課題は各州政府との調整だと思います。今の所、各州政府からは正式なコメントは発表されていませんが、今はどの州も自分の州をいかに安全に開くかということで一杯で海外からの受け入れまで考えられている状況ではないと思います。VIC州の昨日の新規感染者数は1413名ですし、NSW州も941名で、いかに自分の州を安全に規制緩和をしていってそしてソフトオープンさせていくかということで必死ですし、それ以外の州はNSW州やVIC州からの入州は今でも抵抗があり、その上に海外からの入州までを考えている余裕はないと思います。
昨日の会見ではスコット・モリソン首相も「例えばシドニー(NSW州)の空港に到着してオーストラリアに入国できたとしてもVIC州や他の州がNSW州からの入州を認めていなければ、それらの州に入州出来ない可能性があることを理解してもらわないといけない」と注意を促していました。「国境は開く。ただし入国後、自分の目的地までたどり着けるかどうかは自分で各州のウェブサイトなどでルールを確認すること。リスクはあくまでも自分で持って自己責任でやるように」ということです。
また、「オーストラリアが国境を開いても、渡航先の国がオーストラリアからの入国を許可してなかったりワクチン接種の要件など国によって異なる場合もあるので、出国する場合には渡航先の国のルールも自分でしっかり確認して渡航するように」とも注意を促していました。
NSW州やVIC州では規制緩和やソフトオープンは着実に進んでいる
NSW州はホテル業界などと連携して留学生の入国を試験的に受け入れて学生がホテルなどでアルバイトをできるような計らいを計画しているそうです。また、NSW州ではロックダウンの解除を10月11日に行うことを決定し、これによりスーパーや薬局以外の一般的な小売店も営業が再開できるようになり、町の様子は通常に近い状況に戻っていくと思われます。VIC州もロックダウンの解除を10月26日を見込んでいます。他州が今後速やかにこれらの州からの入州を受け入れるかは不明ですが、少なくとも国内の旅行に関しては来月以降5、6か月ぶりくらいにかなり自由にできるようになっていくのではないかと思います。
コロナ以前の一般的な旅行は来年以降?
上記を総合的に勘案すると、コロナ以前に行われていた一般的な旅行はまだまだで来年以降になるのではないかと思われます。まずは何が何でもオーストラリアに帰国したいオーストラリア人や留学などでどうしてもオーストラリアに入国する必要があるなど一部の人に限られるでしょう。現時点ではオーストラリア国内の状況も上述の通りですし、日本や外国のコロナ対策、規制、入国要件などもまだまだ厳しい国が多いと思われるからです。そして、オーストラリアに旅行で来たけど、日本に帰ろうと思ったら日本の入国要件を満たせなくて帰国できないなんてこともあり兼ねません。航空券代もまだまだ急騰している状況が続いているのではないかと思われます。
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