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エクスペディア・ジャパンが発表した世界19か国の有休取得率の調査で日本が50%で3年連続の最下位となったという記事を目にしました。

https://welove.expedia.co.jp/press/40915/

まず、エクスペディア・ジャパンがそんな調査をやっていたなんて知りませんでした。そして、日本の有休取得率50%。もっと低いのかと思ってましたが、近年日本の企業も社員に有休を促しているということでしょうか?しかし、データをよく見ると、そのまま鵜呑みにできないのではという気がしてきました。

データによると日本は有休取得日数、取得率ともに最下位。取得日数はアメリカ、タイと共に10日。タイは少ないように感じますが、付与数が10日しかないようです。なので取得率は100%。アメリカは付与数14日対して取得数が10日で71%。日本は付与数が20日となっています。私が今住んでいるオーストラリアは付与日数が日本と同じ20日で14日取得しているので取得率は70%。そしてこれは日本の次に悪いそうです。

まず、アメリカがデータの通り10日であるならばものすごく大変だと思います。何故ならアメリカは祝日が日本と比べてものすごく少ない。2018年は11日。対する日本の2018年の祝日は20日。そして、日本は会社の規定でお盆休み、年末年始休みがあるのでそれらをプラスすると実質有休なしでも30日弱は休めるわけです(休日出勤がなければ)。

また、オーストラリアとの比較ですがこちらも祝日の数はアメリカと似たような感じです。そして、日本の付与数20日というのは最大数のはずです。入社1年目は10日で毎年1日あるいは2日ずつ増えていき数年後に最大数の20日をもらえるという感じだと思いますが、オーストラリアは1年目から会社が20日付与するのが一般的です(そして日本のように毎年1日、2日ずつ増えるということはありません)。なので、日本の取得率50%というのは字面通りに受け取っていいものなのでしょうか?

有休取得率 最下位なのに、「休み不足」と感じない日本人という題目で「日本人は休みを取れていないにも関わらず、休みを欲していない様子がうかがえます」と言っていますが、それは祝日が多く3連休のある月が非常に多かったり、さらにお盆休みや年末年始の休みといった海外にはない日本独特の休みがあったりするからではないでしょうか?年末年始を家族と過ごすのは日本人にとって非常に重要であり、会社はそのため休みにしていると思いますが、同様に欧米の人たちは12月半ば過ぎからクリスマスを家族と過ごすために休みを取る人が多いです、しかし、日本のように会社でクリスマス休暇というのはもうけておらず、各自で有休を使用するという形で休みを取ります。

有休の制度自体各国バラバラでそれだけでも比較が難しいと思いますし、祝日の数や日本のお盆休みや年末年始の休みといった特定の国の特定の事情なども加味すると、単純に日本人=休まない、外国人=休みをしっかりとっているとするのは短絡的すぎるような気がします。またそういった海外と日本の違いを知らない日本人がこのような発表を読んでしまうと「やっぱりうちらは休みが少ない、外人はすごく休みを取っている」というある意味間違った認識をさせてしまうのではないかと危惧します。

外国では確かに20日とか1か月とかあるいはそれ以上のまとまった有休をとる人もいます。しかしそれは誰にでも出来るものではないです。スタッフレベルの正社員であったり、バイト的な仕事をしている人であれば実行しやすいです。上に行けば行くほど繁忙期は絶対休めないとか、月末月初は毎月働かないといけないとか何かしらの制約が出てきます。あるいは会社の業績が悪いのでまとめて社員を休ませるとか特別な事情であれば別です。また、チームでほかの人がすでに有休を申請していたらその時期は取りにくかったりする場合もありますし、誤解していただきたくないのは、海外なら誰もがいつでも好きな時に自由に取れるということでもありません。

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