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オーストラリア政府は先日2023年期(22年7月~23年6月)の移住者がネットベースで過去最高の40万人の増加になると発表しました(ネットベース=オーストラリアへ移住した人-オーストラリアから離れて行った人)。

Australian migrant population growth hits all-time high as borders reopen – ABC News

オーストラリアはコロナにより2020年から2021年まで鎖国。鎖国を解いたことで2022年に入り再びオーストラリアへ留学やワーホリでやって来る人が急増した結果だと説明しています。

2022年はそれによりオーストラリア国内はどの業種も人手不足。これはオーストラリアに限らず移民大国と呼ばれる国々では同じような問題を抱え、一足先にカナダが移住者を呼び寄せるべくビザの規制の大幅緩和を実施し、オーストラリアでの永住権取得を諦めカナダに舵を切り替えた人も少なくないと聞きました。

オーストラリア政府もその様子を見ていたと思われ、様々なビザ緩和策を昨年は打ち出しました。オーストラリア国内で何年も永住権獲得に頑張っていたけどなかなか取れず心が折れかけてた人たちもこれにより取得できたという人も私の周りにも何人かいます。

今年一杯は続くか?人材と住宅不足

40万人も移民が増えたら、人材不足は解消されるのではと思う人もいるかもしれませんが、私は今年一杯は何だかんだ言って続くのではないかと思います。

①人材不足はオーストラリア全体で深刻な問題

日本も深刻な人材不足だと思われますが、オーストラリアも同様に深刻です。もし、日本とオーストラリアで違いがあるとすれば、日本の人材不足は日本人・国内に限定、逆に言うとコロナが終息し経済もコロナ以前に戻れば状況は改善されるかと思います。

一方、オーストラリアは労働力を移民に頼っている国。毎年世界中からオーストラリアにやって来る外国人の労働力に頼っています。これは高度で専門的な技術を持っている人に限らず、カフェやレストラン、ファームなどで働く留学生やワーホリの人達も含まれ、コロナで鎖国したことによってこの流れを完全に絶ってしまったことや、オーストラリアにいた留学生やワーホリの人達を母国に返してしまったことで完全にオーストラリア国内から労働力が消えてしまったことになります。

コロナからの脱却によって急激に経済が回復、動き出してしまったことやカナダが先手を打って世界へカナダへの移住を呼び掛けたことでオーストラリアを選ばずカナダへ行った人たちが増えたことで、オーストラリアの人材不足はすぐに解消できる状態にはならなくなってしまったと思われます。実際にこの投稿を書いている現在も多くの業界で深刻な人材不足が続いています。

これまでどうやって労働力を賄ってきたかというと、1人当たりの仕事量の増加や誰でも良いから求人に応募してきた人を取るという事ぐらいしか出来ていないところが多いと思われ、40万人の移住者が増えても、どれだけ適正な人材がいるかと言うと未知数だと思われます。

なので、今はまだ買い手市場の状態が続いていますし、元々給与水準の高いオーストラリアですがコロナ以前と比べると更に上がっていますし、この状況が解消されるには早くても今年一杯くらいまではかかるのではないかと思われます。

②住宅不足は当面続くと思われる

一方、住宅不足はもっと深刻です。こちらもコロナで鎖国されたことにより、住宅需要は完全になくなり、投資目的で家やアパートなどの一室を所有していた人たちは一斉に物件を処分したと言われています。また、コロナで住宅の供給が過剰となってしまったことで、住宅から別の用途へ転用されてしまったものも結構あるなんて話も聞くので、そこに開国で留学生やワーホリの人達がどんどん入ってきて現在極度の住宅不足の状況だそうです。現在多くの留学生やワーホリの人達が住む場所が確保できずに困っている様子を Youtube などでアップしているのはこういった背景の元だと思われます。

もしそうであるならば、この問題は住宅の供給数が増えないと解消されないので人材不足の問題よりも長く続くと思われます。留学生やワーホリの人に限らず、ローカルの人達やオーストラリアに既に定住している人たちにとっても深刻で、金利の上昇も相まって貸主による急激な家賃の値上げがあちこちで聞かれいる状況ですし、シドニーやメルボルンと言った大都市に限った話ではなくオーストラリア全体的に見られる現象となっています。

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