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海外で就職する際に求められるリファレンスチェック。これは採用内定候補者に対して前職での働きぶりやどのような仕事をしていたか(仕事内容、スキルなど)を前職の上司などに聞いて採用決定の最後の決め手にするものです。

履歴書に目を通し職歴はばっちりそう、面接でも良い印象で好感が持て採用したい。でも、本当に感じた通りの人物かは面接者とてわかりません。実際に働き始めたら思ってたのと違うなんてこともよくあります。オーストラリアの場合とりわけ人種は様々なので、日本のようにこの人は真面目そうとか外見から想像するのは難しいですし、文化もバックグラウンドも違うので採用したけど非常識なことばかりして仕事以前の問題児なんてなったら他部署の人からも大クレームなんてこともあり得なくはないわけです。なので、この人にオファーを出して間違いないという何かしらの確証が採用側からすると欲しいわけです。そこでリファレンスチェック (Reference Check)が要求されます。

ちなみにリファレンスというのは就職に限った話ではありません。引っ越しで別の賃貸物件に入居したい時もリファレンスチェックは行われます。入居者が夜中に騒音で近所に迷惑をかける、なんか異臭がする、住む上でのルールを守らないなどがあったら困るからです。

リファレンスしてもらう人は誰?

リファレンスしてもらう人のことを Referee といいます。日本語で表記するとレフェリー。そうです。スポーツで審判をレフェリーと呼ぶ場合があると思いますが、あれです。要は内定候補者について審判してもらうわけです。前職ではまじめだったとかスキルはすごく高いとか。

リファレンスチェックが行われるのは採用過程の最後であることが多いです。採用する気もない人の前職の上司にまでわざわざ連絡するというのは採用側とて億劫です。なので、もし面接を終えてその後の連絡でリファレンスチェックをしたいと言われた場合、採用される確率は高いと考えても差し支えないと思います。もちろん最後2、3人絞った段階で行われる場合もあるかもしれないので、100%採用されるとは言い切れませんが、90%くらいは決まったと捉えても良いでしょう。

リファレンスしてもらう人は自分で任意の人を選ぶこともありますし、採用側が指定してくる場合もあります。私もそんなに経験があるわけではないですが、こちらの任意で指名出来たり、「直近3社の上司」と指定されたこともありますし、逆に「現在の会社の上司や同僚などは避けて」と言われたこともあります。これは恐らく現在の上司が転職されては困るのでわざと悪く言うかもしれないという危惧があるのだと思います。

また、人によっては履歴書を提出する際に履歴書の最後に予め、レフェリーの名前と連絡先を載せておいておく人もいますが、結局採用の直前でしか行われないので載せなくても良いと思います。ただ、リファレンスチェックの案内が来た時にすぐ連絡先などを提示できるようにはしておきましょう。通常3人程のレフェリーを求められるのが一般的です。一般的には元上司になると思いますが、同僚、部下などでも構わない場合もあります。この辺は採用担当者に確認して指示をもらいましょう。

レフェリーになってもらう人にも充分に気を配る

レフェリーになってもらう=その人に面接企業の採用担当者から連絡がいくわけです。海外は緩いと言っても多少なりとも礼儀はあります。以下は最低限の事としてちゃんとやりましょう。

  • 事前にできれば電話で連絡する(人によってはショートメッセージなどで連絡する人もいるが)
  • 現在転職活動中であること、応募している会社・職種、ポジション、転職理由などを伝える
  • レフェリーになってもらいたい旨を伝え、連絡先を面接企業に渡しても良いか許可をもらう
  • 結果が出たらどのような結果でもちゃんと伝える

私も人に頼んだり、あるいは逆に頼まれたこともあります。自分が頼む場合も頼まれる場合も基本的には気心知れた元上司、同僚、部下であることがほとんどなので、断ったり断られたりすることはないと思いますし、悪く言われる心配などもありません。もちろん、私も頼まれてOKした場合悪く言うことはないです。

ただ、世の中にはやはり礼儀をわきまえてない人もいるわけで同じ職場でちょっとだけ時期がかぶっただけの人にレフェリーにされてたりしたこともあります。当時同じ職場にいた時もとりわけ仲が良かったわけでもないのし、何年も連絡もとってないし。もちろん知ってる人間なので、悪くは言いませんでしたが、心情的に大絶賛はしたくないですよね。なので、その時は「何年も連絡とってないし、転職活動中な事も知らないしレフェリーになってほしいとの連絡も受けてないので、何で私の連絡先が許可なくあなたに渡されているのか今ちょっと困惑している」と採用担当者には伝えました。採用担当者の方も仕事は出来そうだけど、面接の時の話し方とかちょっと人間性のような部分で「ん?」と感じた部分があったと言ってましたが。

オーストラリアはコネ社会。人間関係は一にも二にも大事

海外では社内異動でない限り、リファレンスチェックは要求されるものと思っておきましょう。だからこそ、海外では職場ではなるべく上司や同僚、部下などと良好な関係を保とうと皆努力します。今はどうでも良くても、将来転職などをする際にリファレンスチェックを求められるためとにかく愛想よく振りまわったり八方美人でいたり。

「俺はこの腕一本で生きていく。人の力なんか借りなくとも生きていける。だから他人に頼る必要なんかない」という考え方は海外では通用しません。「あなたがいくら凄そうなことを言っても、本当にそうか他人に聞かないとわからないでしょ?そんなにすごいんならあなたの事を推薦してくれる人たくさんいるわよね?」というのが海外だと思います。

リファレンスチェックの信ぴょう性

さて、ここまで読んで頂いた方。「自分でレフェリーを任意に指名出来たり、自分の気心知れた人になってもらったり。まず悪く言われることがないリファレンスって信ぴょう性あるの?」と思われた方も少なくないのではないでしょうか?

はい、ないです。笑

リファレンスチェックで採用するしないを決定するのは危険です。上述の通り絶対悪く言われることはないからです。基本は面接までの過程で決めておいて、最後の念のための確認という意味でなされるものと考えましょう。

もちろん、時にはリファレンスチェックで嘘が発覚することもあります。例えば前職の職位。スーパーバイザーだったのに履歴書にはマネージャーと書かれていたり、経験なども実際には前職で履歴書に書かれていたようなことまではやってなかったなど、盛られていたことが発覚するなんてこともあります。これが発覚するかしないかは本当にレフェリーによると思います。レフェリーとてもし転職希望者があまりにも違うことを履歴書や面接などで述べていたら、自分がレフェリーとしてやってないことまでやっていたという嘘に乗ってしまうことに抵抗を感じる人もいると思います。また、狭い業界だと面接担当者とレフェリーが良く知った仲という事もよくあることなので、その場合はお互いフランクに本音でチェックすることが出来ると思います。そういう場合はリファレンスチェックは価値ある選考過程だと思います。

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