既に前の投稿で伝えている通り、オミクロン株の出現により一旦国境再開に待ったがかかったオーストラリア。とりあえず、12/15まで延期とされていましたが、ここ数日多くのメディアでどうやら予定通り12/15をもって国境が再開されそうだと伝えています。現在、政府の公式の発表は今日、明日になるのではないかと予想されています。
これにより、オーストラリアへ戻ってくる、留学生、ビジネスマン・ビジネスウーマン、旅行者がオーストラリア経済の復興のカギとなってくれることが期待されています。
また、開国に一旦待ったがかかっている間にQLD州やTAS州、NT準州も州境が再開されるので(下記参照)、12/15からの国境再開はよりオーストラリア国内の移動の自由があるという点で、これからオーストラリアへの入国を考えられている方にとってはかえって良かったのかもしれません。オーストラリア連邦政府は州政府にクリスマス前までに州境を開けるよう求めていましたが、現在、WA州のみが来年1月後半か2月前半を見込んでいる状態です。
オーストラリアは現在、極度の人材不足状態
留学やワーホリなどを考えられている方にとっては、コロナ禍だけどオーストラリアで仕事は見つかるのと不安になれている方もいると思います。これに関しては、その方の英語力などスキルや経験、人柄などにもよると思いますが、仕事を見つけるのはコロナ以前と比べると難易度はかなり低いと思われます。オーストラリアは今、極度の人材不足状態です。理由は以下の通りです。
- 昨年の3月からコロナによるビジネス需要の減少やロックダウンによる営業停止で数十万人という規模で職を失った人がいる。
- オーストラリアのビジネスはワーホリ、留学生、移民の労働力に支えられているが、その人たちの多くが上記により生活が困窮し母国に帰った。
- ロックダウンの終了や州境の再開によりビジネス重要が回復し始めたところでは、どこもとにかく人を欲しがっている状態で採用合戦が始まっているが、そもそも多くの人がオーストラリアを去ってしまったので、人材が確保できていない状況。需要(求人数)>供給状態(求職数)
現在は特にサービス業などで「誰でも良いからとにかく人が欲しい」、「コロナ以前なら選考で通過しなかったであろう人でもとにかく採っている」というような噂レベルの話ですがそういう話も聞きます。彼らの現在の悩みは「とにかく人が欲しい」ことと「採用した人たちをどうトレーニングしていくか」と言うことだそうです。また、サービス業に限らず移民の労働力にかなり頼ってきてたオーストラリアは業種問わず全般的に労働力不足が伝えられています。
なので、現在は早い者勝ち状態だと思います。「まだ、コロナの状況も読めないし、近い将来再び新たな変異株が出現して規制が設けられたりしたら」と躊躇していたら数か月後、半年後、1年後には既に多くのワーホリ、留学生、移民同士で以前のように競争状態になっていて仕事がゲットできないという状態になっているかもしれません(この辺は予想は難しいですが)。
ビザの要件も緩和
コロナで上述のような状況になり。政府もいくつかのビザのルールを変更しています。
- 留学生の労働時間制限の撤廃(特定の業種に限る)
- 卒業生ビザ(サブクラス485)-コロナ禍でオーストラリアを離れ2020年2月1日以降にビザが切れた人は更新可能(特定の職種に限る)
- 修士修了者の卒業生ビザの有効期限、これまでの2年から3年に延長。専門学校卒業生は2年の卒業生ビザの取得が可能。就労ビザ(サブクラス482)のショートタームストリーム(2年間)のビザ申請が可能
長期的にはオーストラリア経済の回復は読めない
コロナで壊滅的な経済のオーストラリア。現在、急ピッチで経済回復に努めているオーストラリア政府。州境も開け始め、国境ももうすぐ再開が見込まれ、それに伴って人やモノの移動が増えて経済は急速に回復していくのは間違いないと思います。
では、コロナ以前に戻れるか?これまでオーストラリアは世界で有数の物価高の国で、最低賃金も世界一高い国とされてきましたが、コロナ前の経済に戻れるかはなんとも言えません。上述の通りコロナで鎖国してしまったため、経済は壊滅的な状態。それに加えて昨年より中国とバチバチやり合うようになり、それまで中国にべったりだったオーストラリアですが、中国はオーストラリアの鉄鉱石や主要農産業の小麦、牛肉の輸入禁止しオーストラリアワインの関税の税率200%引き上げを実行し、その金額的なインパクトはオーストラリア経済にとっても尋常ではありません。その損失を他国との取引でカバーできるかは今のところはまだまだ未知数だと思います。
現在、オーストラリア政府は完全に中国と決別の姿勢を示し、代替国として、インドや日本、シンガポール、マレーシアなどの東南アジア諸国との関係を深める方向へ方針転換しています。中国経済がスローダウンし始めている中、インドはかつての中国のような感じで急速に経済成長を始め、これに伴い、オーストラリアではかなりインド、スリランカ系移民の比率が上昇しているような気がします(個人的な印象です)。インドの成長が中国と同等あるいはそれ以上となることが確認できれば、オーストラリアは引き続き経済成長を続けることが出来ると思います。
オーストラリアへ永住や移住を考えられている方はここ1、2年以内に実行する方が得策かも
上述の通り今後数年はビザの要件も緩和されたりして、政府は「オーストラリアへ来てください」キャンペーンをやるのではないかと想像されます。しかし、オーストラリアが移住先として人気が高いことはコロナ以前と変わらないと思いますし、ある程度、オーストラリアへの流入が確認された時点で再びビザの要件や競争が厳しくなるのは想像に難くないと思います。インド、スリランカ系移民は今後もものすごい勢いで増え続けていくと思いますし、中国とて超巨大な経済大国であることに変わりはなく、今後も多くの人が中国から留学にやって来ると思います。そこにアフリカ系、ブラジル系移民なども経済成長に伴って増え始めるとなると再び要件は厳しくなり、とりわけ永住権や就労ビザはそれこそアメリカ並みに難しくなるかもしれません。永住権にせよ、就労ビザにせよ「取れるときに取っておく」という鉄則は個人的に正しいと思います。躊躇している間に世界中からどんどんオーストラリアに移民としてやって来ると思いますし、ビザのルールが変わって取れなくなってしまい後悔するというのはよくある話です。
QLD州は12/13より州境を完全に再開
国境の再開が延期されている間に先日QLDの州政府が州内のワクチン接種率(2回接種済)が今週中に80%に到達する見込みに伴って、12/13よりNSW州、ACT首都特別地域、VIC州からの入州を許可することを発表しました。
ワクチン2回接種済みの人は空路、陸路入州方法に制限はなく、入州後の隔離も不要です。それ以外の人の入州は飛行機での入州に限られ、入州後は14日間の隔離が必要になります。ただし、どちらの人も入州72時間前のPCR検査の陰性証明が必要です。
TAS州も12/15より州境を再開
タスマニア州も予定通り、ワクチン接種率(2回接種済)が90%に達する見込みに伴って、州境が12/15より開かれます。
Premier of Tasmania – Tasmania prepared and ready to reopen
Travel to Tasmania | Coronavirus disease (COVID-19)
ただ、PCRの陰性証明等の要件や州内でのマスク着用など細かい規制の部分でルールの変更が今でもあるようで、困惑がニュースで伝えられています。タスマニアへの入州を考えられている方は事前に最新の情報を得て確認する必要がありそうです。
NT準州も12/20より州境を完全に再開
ウルル(旧エアーズ・ロック)があるNT準州も12/20より Red Zone からの入州を許可する見込みです。ただし、先ほどのニュースではルール変更があり入州後最初の14日間はダーウィンなどのワクチン接種率が高い地域で過ごすことが必須となった模様です。なので、「入州後いきなり(レンタカー等で)ウルルに向かうということができなくなった」、ニュースでは伝えられていました。NT準州を訪れる方は、最新の情報をこまめにチェックして情報をアップデートするようにしてください。
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