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前回は日本でのホテル隔離について述べました。今回はオーストラリアでのホテル隔離です。

オーストラリアへの入国条件

まずその前に、オーストラリアへの入国には日本出国の72時間前にPCR検査を受けて陰性証明を取得する必要があります。これはオーストラリアから日本へ入国するのと同じです。検査方法もざっくりですが、RT-PCR法と書いてあります。

Coronavirus (COVID-19) FAQs – international travellers to Australia | Australian Government Department of Health

また、日本出国の3日前から前日までの間に Travel Declaration をオンラインで済ませておきましょう。

Home | Australia Travel Declaration (homeaffairs.gov.au)

オーストラリアのホテル隔離

さて、いよいよオーストラリアのホテル隔離ですが、前回同様今回紹介する私のケースもあくまで一例としてください。恐らく他のホテルと隔離の仕方に大差ないと思いますが、ホテルによっては特段衛生面に力を入れていてたり、多少の違いがあるかもしれません。

海外からオーストラリアへ入国する場合(現在はオーストラリア市民や永住権者、又は特例で入国が認められた人などに限られます)、ホテルで14日間の強制隔離となります。

軍服を着た人が飛行機の外で待機

空港で飛行機から降りるとすぐ傍に軍服を着た人がいて、空港の出口(通常の出口と異なる)まで先導されます。そこから隔離専用の大型バスに乗り、警察官が同行します。どこのホテルに連れていかれるかも告げられず、まるで逮捕されてパトカーに乗せられた人のような気分で不安です。

ホテルに到着するとようやく「あなた方が滞在するのはこちらのホテルです」と紹介され、隔離期間中の行動やルール等を警察官が読み上げます(10分くらい)。ホテルでのチェックインは一人ずつ行われ、自分の番が来るまではバスで待機です。私はバスの後ろから3番目くらいの所に座っていたので、30分ほど待たされたのでないかと思います。

ホテルのレセプションでは、ホテルスタッフの方がチェックインを行い、その後その傍にいる警察官にパスポートや連絡先の情報を記入した紙を渡して、滞在期間中の説明が再度されます。了承すると軍服を着た人が荷物を持ってくれて、自分の部屋まで連れて行ってくれます。当然隔離なので、ルームキーは渡されず、軍の人が客室のドアを開けてくれて私が部屋に入ったら閉めてくれます。基本的に食事の支給とPCR検査の時、アメニティの補充をお願いするとき、ごみを出すとき以外は一切ドアを開けることが出来ません(部屋から出ることは一切ありません)。

隔離中の生活

食べ物は1日3食支給されます。セキュリティの方がドアをノックして自分でドアを開けると目の前に食事が入った袋(デリバリーのフード)が置かれています。ただ、写真の通り日本とは比べ物にならないほど簡素なものです。これが14日間3食続くのかと思うと先がやられましたが、メニューは毎食飽きないように異なるものとなっており、そういった面の気遣いはホテル側でされているようでした。また、Uber Eats などで別途食べ物をオーダーするのは自由で(別途自費)、全てをUber Eats などのデリバリーにするのはコストが高くなるのでやらないにしても、時折そういうのに頼るのはありだと思います。

また、隔離期間中は毎日電話で健康状態を確認され、PCR検査が2日目、7日目、12日目の3回行われます。この時も検査をする人がドアをノックし、ドアを開けてその場で検査が行われ部屋を出ることはできません。オーストラリアでは隔離期間中は何ともなく陰性結果でも、隔離期間を終えて家へ戻ってから体調が悪くなり陽性結果になった事例がいくつか報告されているためだと思われます。

ホテル隔離にかかる費用は自費となっていて、どこのホテルに滞在しても14日で$3,000となっています。隔離終了後に政府から請求されるそうです。

オーストラリアも日本と同様、空港到着日は Day 0 とカウントされると空港で説明されましたが、14泊して15日目にチェックアウトできました。日本では15泊しないといけなかったので、この辺りの計算方法も国によって違うのかもしれません。

隔離終了

ホテル隔離最終日(チェックアウト日の前日)、最後の健康状態が確認され警察官と看護師の方が部屋を訪れ、隔離が明日で終了することが伝えられ、14日間の隔離をコンプリートした証明書が渡されます。そして、隔離終了から2日後に自分でもう一度PCR検査を受けて、再度陰性であることを確認することが求められます。また翌日のチェックアウトの希望時間を聞かれました。自分で勝手に好きな時間にチェックアウトできずホテルスタッフの方が部屋まで迎えに来てフロントまで連れて行ってもらう形になっていて、これはチェックアウトが他の隔離終了者との接触をさけそこでの感染を起こさせないようにするためだと思われます。

ホテル隔離は何ゾーン?

メルボルンがあるVIC州では感染者が急増して感染リスクが高い地域をレッドゾーン、感染者が発生しているがそこまで深刻でない状況の地域をオレンジゾーン、感染者が少ないあるいはいなくて感染リスクが低い地域をグリーンゾーンと区分けしています。例えば8月7日現在感染者が急増しているNSW州に関してはレッドゾーンと認定していて、NSW州からの入州は禁止としています。なので、例えばメルボルンに住んでいて現在仕事なり何らかの理由でNSW州にいる場合、その方は特別な許可をもらっている場合を除き、メルボルンに帰りたくても帰ることが出来ません。

NSW州は現在ロックダウン中ですが、NSW州の8月6日の新規感染者は319名。当初8月一杯までロックダウンが続くのではと見られていましたが、この数字だと早くても9月一杯まではロックダウンが解除されないのではないかと予想されます。そうすると他の州もNSW州からの入州はロックダウンが解除されるまで禁止を解かないことが予想され、それまでは他の州へ帰ることができなくなり、その間の「家」を確保しなければならなくなり、これは資金的に相当辛いことです。

ただし、もし現在例えばシドニーのホテルで隔離中という方であれば、ホテル隔離は「グリーンゾーン」とみなされます。当然ですよね。感染を広げないようにホテルの客室に閉じ込められ、部屋から一歩も外に出れず、隔離中に3回のPCR検査を受けて、それでレッドゾーンとしたら国の隔離システムを信用しないことになってしまうだろうし。

ただし、グリーンゾーンと認定されるためには「隔離終了後」、寄り道などをせずホテルから空港に直行すること、空港までの移動中、ソーシャルディスタンスをしっかり守ること、マスクは常に着用していることなど条件があります。

Victorian Travel Permit System – FAQs | Coronavirus Victoria

しかし、「なら、問題ないじゃん」と安心はできません。何故ならNSW州からの入州が禁止されている状況、飛行機はちゃんと飛ぶのかという問題があります。上のグリーンゾーンと見なされる条件を考えると、ホテル隔離終了→でも飛行機がキャンセルになり飛ばないため速やかに空港に直行して飛行機に乗ってメルボルンに到着できないとなれば、グリーンゾーンでなくレッドゾーンにみなされるかもしれません。もしそういう状況の方がいれば、お住いの州のコロナホットラインなど管轄のところに電話で確認するなどされた方が良いと思います。実際のこの辺のところの解釈、扱いはわかりませんが、この時期はとにかく自宅から5km圏内に留まっていることが賢明です。ロックダウン中でも5km圏内なら運動や食料の買い出しなどでの外出が許されていてある程度の移動が許されています。

オーストラリアはどの州も「はい、今日の夜〇〇時からロックダウンを開始します。皆さんそれまでに自宅に戻るように」と数時間前に言われることが多く、そうなると皆一斉に家路に向かい始め道路は渋滞、ドライバーは運転が荒くなったり、クラクション鳴らしまくるなどちょっと混沌とする場面も見られます。

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