パースと日本
パースと聞いて「あぁ、パースね」と言える人は少ないと思います。
そもそもパースという名前を聞いたことがない人あるいは名前は聞いたことあるけど、どこにあるかまではわからない人が大半ではないかと思います。私自身も渡豪前はパースという名前以外は何も知らなかったです。渡豪直前に退職した日本の職場でパースにワーホリや語学留学で住んでいたことがある人が2人いて(←これ自体ある意味びっくり)、2人とも「とにかく良い街だから」とか「パースに長期で住めるなんてうらやましい」と自分の事のように興奮している姿を見て、私やパースを知らない他の人たちは「ふ~ん」という感じだったのを今でも覚えています。実際に訪れた人の多くが「ずっとここにいたい」、「機会があればまた訪れたい」と絶賛する町、パースはそんな町です。
オーストラリアを訪れる日本人が増加している?
政府の統計でオーストラリアに訪れる日本人の数が2014年以降大きく増えていると言われています。
日本はバブルの頃はオーストラリアを訪れる人が多かったのですが、バブル崩壊以降、旅行先として近くて安い東南アジアにシフトしていき、オーストラリアを訪れる日本人が激減したことで、直行便もなくなってしまいましたが、近年オーストラリア人が旅行先として日本を選ぶ人が急増し、日豪ETAの締結などにより、日本⇔オーストラリアの直行便が復活し、オーストラリア及び日本の観光協会もお互い協力して観光客の誘致に力を入れています。
シドニーやメルボルン、ゴールドコースト、ケアンズと言った町は以前から多くの日本人に知られていると思いますし、実際に旅行で訪れたとか留学やワーホリで住んでいたという人も少なくないと思います。
パースを訪れる日本人も増加している?
私がパースにやってきた2013年頃はパースで日本人を見かけることはありませんでした。
職場は日本人は私だけ、街中を歩いていても日本人学生やサラリーマンと思われる人は皆無(日本語が全く聞こえてこない)。職場で同僚に聞いても「日本人?どうだろう。そう言われてみるといないかも。知り合いでも日本人はいないなぁ」なんて人が多かったです。そんな感じでしたので、日系のスーパーやラーメン屋、ユニクロ、ダイソーなどは当然パースにはなく、ラーメン屋と言えば日本人スタッフのいない、トンカツがラーメンのトッピングとしてのっているような、なんちゃってラーメン屋あるいは日本人経営でも昔の日本のこだわりのない素朴なラーメン、すしと言ってもカリフォルニアロールのような洋物の寿司が主流で、日本人が経営している日本食のレストランというのは本当に微々たるものでした。またスーパーで日本食を買いたければアジア系スーパーで手に入れるというのが基本でした。
しかし、2015年あたりから街中で日本人サラリーマンや学生などが数人で日本語を話しながら歩いている姿をシティでもちらほら目撃するようになり、日系スーパーもスビアコにオープンし、2016年頃には日本語を話しながら街中を歩いている人を見かけることも普通になり、明らかにパースを訪れたり、パースで生活している日本人の数が増えていることが日々の生活からも容易に感じられるようになりました。
下のデータはパースの総領事館のものですが、2013年10月の8,539人をピークに2014年には大きく減少し2016年に復活している感じです。もっともワーホリや留学など短期滞在者の方がどれだけ大使館・総領事館に在留届を出しているかは不明なので、どれだけ現実に即しているかは不明ですが、2012年の10月頃からパースの企業でも日本のバブルのようなマイニングブームに陰りが見え始めたと感じていると聞いていますし、2013年から企業の急激な業績の悪化が顕著化し、オーストラリア政府が公式にマイニングブームの終了を宣言したのが2013年の7月(私がパースに到着して間もない頃)。私の勤め先でもコストカットのオンパレードが始まったのが2014年に入ったあたりからですので、下の表もそういった実体経済に即しているように思えます。
そして近年、シドニー、メルボルン、ゴールドコーストやケアンズ以外でオーストラリアのおすすめ的な場所としてパースを取り上げる日本の旅行代理店や日本の旅番組で紹介するテレビも少しずつではありますが増えてきているように思いますし、留学エージェントやパース在住の方もブログや YouTube などで魅力を伝える人も増えています。
そのような中で、昨年から今年にかけては博多ラーメンの元助や一風堂がパースにオープンし、ユニクロも今月シティにオープンします。日本の大手企業もパースに需要があると踏んでの出店だと思いますので、そういったことからも日本人が増えていることがわかるかと思います。
何か日本人いっぱいいそうと思われた方。そうは言っても2016年で西オーストラリア州の在留邦人8,511人、人口が2,558,951人ということなので、日本人の割合はわずか0.3%です。ケアンズやゴールドコースト辺りと比べたら日本人に出くわす可能性は極めて少ないと思います。8,511人の在留邦人のうち半数近くが永住者となっていますので、そのような方はバブルの頃などに移住して在豪歴20年以上の方か近年こちらで仕事をゲットして永住権につなげた方だと思われますが、こちらの生活にもだいぶ慣れてパースを離れてのんびりした地方に住んでいる人も少なくないのではないかと想像します。
では、そのようなパースの魅力とは何でしょうか?次回以降に見ていきたいと思います。
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