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日本に帰ってきました。日本での本格的な生活は11年ぶり。毎年帰省で日本に帰ってくることはあっても、生活のベースがオーストラリアだった私にはあくまで休暇中の帰省先。本格的に帰ってくるとなると色々手続きがあるわけでこれがもう大変。ワーホリや留学生などはあまり関係がないかもしれませんが(部分的には共通することもあると思います)、私自身忘れる前の備忘記録として書いていきたいと思います。
オーストラリアでの準備
基本的には日本での引っ越しと大きく変わることはないと思いますが、いくつか日本にないこともあるかと思います。私の場合、以下の事をしました。
- 電気、水道、ガスの解約
- 日本大使館に帰国の届けを出す(オンライン)
- 賃貸物件の解約、清掃業者の手配、鍵の返却
- 銀行口座の解約、保険の解約
- 車の売却
- 生活用品の売却、不要な身の回り品の処分
- 手紙の転送手続き
水道光熱費の解約は各会社に電話でキャンセルの旨を伝えるだけで良いので、特に大変とかはなかったです。日本大使館への届け出も同様にオンラインで簡単。賃貸物件は昨年まで Fixed Term で契約していました。本来、この契約の場合、中途で解約しようとすると次の入居者が決まるまでの賃料や入居者募集に係る広告宣伝費などをこちらで負担しないといけないと思うのですが、今年3度目の契約更新した際にオーナーさんから「もう契約書は良いよ。もし何らかの理由で引っ越すってなった時は事前に知らせてくれればよいから」と言って頂き、特に追加費用が発生することなく解約できました。ボンドも即日返ってきました。こういう涙がチョチョ切れる素敵なオーナーさんはオーストラリアでは本当に稀なので本当に最高のオーナーさんでした。最後のインスペクションの時も私が礼を述べると「お礼を言うのはこっちの方だよ。本当に今まで綺麗に使ってくれてありがとう。君が住んでくれて問題なしで本当に僕は何もしなくて良くて助かったよ」と言ってくださいました。天使過ぎる(笑)。
車の売却はディーラーに売却しました。可能な限り引っ越しの直前まで持っていたかったので、個人売買でもめたくなかったのでそうしました。ディーラーなら即日売却、即日決済(私の場合、ローンが残っていたのでそれに充当されましたが)。
一番大変だったのが、不要な身の回り品の処分、売却。買ったけどあまり使っていなくて押し入れにため込んでいたものが出てくる出てくる。まあ、我ながらうんざりしましたが、マーケットプレイスでたくさん売れたのでキャッシュリッチになりました。でも本当に処分が大変。
また、オーストラリアの場合、リサイクル文化も結構進んでいて、家のごみとして出せないものも多く、例えば、電池のリサイクルならどこどこの Woolworth とか、服のリサイクルならそれ専用の箱が置いてある場所に捨てに行くとか、パソコン関係ならどこどこで処分など捨てるものによって捨てる場所が異なることが多く、それ故、車を極力引っ越す直前まで持っていたかったわけです。
銀行口座の解約は私は2つの銀行で口座を持っていたのでひとつは解約しました。残りの一つは銀行の窓口で聞いたら、「またオーストラリアに戻ってくる可能性があるならそのままキープしていても構わない」という事だったので、キープすることに。保険の契約も電話あるいはオンラインで解約でき簡単でした。
そして、最後に手紙の転送手続き。日本からオーストラリアに移住したときに日本の郵便局では「海外への転送手続きは行っておりません」と言われ、「さすがに海外は無理か」と当時納得していたのですが、オーストラリアの郵便局では「日本への転送?できるわよ」とあっさり承諾。あらゆるサービスが優秀過ぎる日本ですが、事、海外とか外人とか英語となると急にNoになりがちになってしまう日本と、そういうのに抵抗がないオーストラリア。文化の違いですね。
解約しようと思ったけど、しなかったもの(できなかったもの)
また、私の場合、しようと思ったけどしなかった(できなかった)こともあります。まず、Super の解約。ネットで調べた限り、留学生やワーホリ、ビジネスビザなどの短期ビザ保有者は帰国時に解約できて積み立てられた分の返金を受け取ることが出来るようですが、私のような永住権保持者は解約できない模様。将来リタイアして年金を受給する年齢になった時に年金として受け取ることになるようです。まあ、年金に関してはオーストラリアの方が良いと思われるので、かえって好都合。日本からも引き続き自主的にSuperを積み立てることも可能なので引き続き積み立てていきたいと思います。
次に所得税の確定申告(準確)。帰国時に申告することもできるようですが、会社で給与計算担当者に話しても話が通じず。「えっ、関係ないんじゃない?例年通り来年の申告の時期にすれば良いんじゃないの?」という感じで、埒が明かなったのと、どのみち日本に帰国してからもちょっとだけ投資の配当などあったりするので、まあ良しとしました。
そして、最後に携帯の解約。携帯は最初は解約するつもりでした。しかし、よく考えてみるとSuperなり、Mygovなど引き続きログインしたいものもあり、その際に必要なのが2段階承認でワンタイムパスワードが私の携帯の番号にショートメッセージで送られてくること。正直、日本の携帯番号に設定変更ができるのかわからなかったのと(多分無理だろうと思われる)、携帯会社に聞いたらprepaid で一番安い金額に契約変更すればと言われたので、キープすることにしました(←騙されました。後日談あり)。契約をキャンセルして最悪それらのサイトに一切アクセスできなくなるよりキープして安心を買う方が良いだろうと。
日本での手続きも大変
そして、いざ飛行機に乗って日本へ本帰国。まず、最初にやらないといけないのが日本の携帯の番号をゲットするのと転入届の提出。
転入届は実家にとりあえずしばらく住むため実家の世帯に入ることになります。国外からの転入の場合、このようなケースでは世帯主の同意が必要という事で同意書を準備しさえすれば転入届の手続き自体は簡単です。ただし、同時にマイナンバーの手続きと健康保険、年金の手続きも必要になってくるので、その分時間がかかりました。私の場合、マイナンバー制度が開始される前に渡豪してしまったので、番号をこれまで持っていません。申込書を郵送されるとの事で申込書が届くまで2週間から1か月かかるとの事。日本を感じました。オーストラリアならオンラインあるいはメールでやり取りがされるであろうことです。
そして、携帯の購入。新しい携帯の機種をオーストラリアで買う場合、店内に入って担当が付いてから30分程度で全て完結すると思います。いくつかの機種の簡単な説明が10分程度、料金プランの説明が10分程度、購入機種を決めて最初の基本的な設定の確認に10分程度。しかし、日本で私が行ったところは1時間半かかりました💦。まず、入店して受付で簡単なフォームに個人情報を記入。続いて別の担当の人に案内されオーストラリアの場合と同様にいくつかの機種の説明、料金プランの説明、そして機種の決定、基本的な設定、支払いなど基本的な流れは同じです。何故、そんなに時間がかかったかというと過剰サービスと所々で入る同意書、確認書。
まず、オーストラリアと決定的に違うのが所々でサインさせられる同意書、確認書。携帯の機種を持ってきて開封して、スクリーンに傷などないか確認させられた後に同意書にサイン。スクリーンの保護フィルムの貼り付けや基本的な設定をお願いしたら、スタッフが携帯を触ること、何かあっても責任は負わないことへの同意書、などなど。何回サインさせるんだというくらいサインさせられ「こんな大したことのないことにまで同意を求めるのか?」とびっくり。
そして、保護フィルムの貼り付けも異常なくらい神経質で、オーストラリアでは最初スクリーンの表面をティッシュのようなものでふき取り(さっと30秒程度)、その後保護フィルムをスクリーンの上に乗せてペンの先にゴムボールが付いたような感じのものでコロコロ転がしながら空気が入らないようにフィルムを張っていました(2,3分)。しかし、日本では最初にウェットティッシュのようなもので表面を神経質なくらいにまでふき取り、その後粘着質のある紙切れでぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた。。。心の中で「はい、そこさっきもぺたぺたやった」、「はい、そこ3回目」、「はい、そこ4回目」という感じで「開封したばかりだからそんなに埃ないだろう」と思ったりしてイライラが募っていったのを察知したのか、「すみませんエアコンで空気が循環してまして」と申し訳なさそうにしていたので「大丈夫ですよ」と伝えましたが、心の中は「止めろ~、エアコン!?」と叫びたくなるような気持でした。そしてフィルムをスクリーンの上に乗せる際も0.1ミリ単位のずれも許さないかのような感じで何度もフィルムの位置を微調整。「職人ですか?」と問いたくなるような感じで1分が過ぎ2分が過ぎ、3分が過ぎ。私の心の中は頭を抱えながら「わ~~~~~~」と叫びたくなるような気持でした。
その他にも年金手帳や雇用保険の被保険者資格喪失確認通知書など。もし、私のように海外に長年住んだ後日本に本帰国される方で日本で就職が決まっている方はこういった書類も今どうなっているか確認しておいた方が良いでしょう。
日本へ本帰国する際の心境
さて、日本へ本帰国するとなったわけですが、その際の心境はと聞かれると自分でも不思議でした。まず、日本へ帰ろうと決心が着いたとき。この時は悲しみで涙がとかいうのは全然なかったです。むしろ、11年住んで日本人がいない環境で11年間サラリーマン生活を送れたので、やることはやったという気持ちの方が強かったです。なので、退職を伝えた時も特別しんみりした気持ちになるというのはなかったです。
ところが、いざ退職となって最後にお別れ会みたいなのを開いてくれたり、特に引っ越しのために持ち物を整理している時は「あぁ、俺本当にオーストラリアを離れるんだ」と非常に悲しい気持ちになり、最後知り合いに別れを伝えた時まではずっとその気持ちが続いていました。自分でも不思議でした。
そして、オーストラリアを離れる当日。よく飛行機で離陸する際に窓越しに景色を眺めながら号泣というシーンを浮かべるかもしれませんが、当日はまたあっさりした気持ちで空港にいました。前日まで引っ越しの準備で忙しくクタクタで、離陸する際は既に爆睡中(笑)。飛行機の中では大半寝ていたので、センチメンタルな気分になるなんてことはなかったです。
そして、日本へ帰ってからは上述の通り携帯の取得やら転入届やらでまた忙しさに追われる毎日。オーストラリアが恋しくなるかと思っていましたが、案外そうでもなく不思議な感覚です。でも最初に述べた通り、いつでも帰れると思って日本への帰国を決意したので、やっぱそういう事なんだと思います。これがワーホリや留学などの短期だったら、涙チョチョ切れで逆カルチャーショックに陥って抜け殻状態になったりすると思います。
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