オーストラリア企業へのサイバー攻撃
オーストラリアの大手携帯電話企業の1つである Optus がサイバー攻撃を受け、顧客約900万人分の個人情報が盗み取られる事件が発生しました。オーストラリアは日本と同じように大手3社が携帯事業を牛耳っていてOptus はその一角です。オーストラリアの人口は約2,500万人なので、オーストラリアに住む大部分の人の個人情報が盗まれたということで、オーストラリアの歴史的大事件としてメディアで連日取り上げられるだけでなく、政府も介入して調査に乗り出す形になりました。
Optus の当初の発表では盗まれた可能性がある個人情報として、生年月日、パスポート情報、運転免許証、メールアドレス、携帯電話の番号、住所などが含まれるとされ、ニュース番組では「これらの情報が不正に取得されたらあなたに成りすましすることが可能で、カードの不正利用とかだけでなく銀行口座からの出金やあなた名義でローンなどを組むこともできてしまう。対策として大至急免許証やパスポートを更新するように」と促し、利用者の多くが運転免許証やパスポートの更新のために当局へ向かいパンク状態に。
最近の発表では盗まれた情報は運転免許証だけというケースが多いようで、パスポートをわざわざ更新する必要はないと促しています。
オーストラリアに住んでいる大半の人が影響を受けた事件。日本はIT後進国とIT業界に通じている専門家などがテレビやネットなどで自虐していますが、ここまでの事件は記憶にありません。オーストラリアがIT先進国かどうかわかりませんが、先月の Optus 事件に続いて先日はスーパーマーケットの大手 Woolworths もサイバー攻撃を受け約200万人の顧客情報が盗まれたと発表されました。オーストラリアはあらゆることがオンライン化されていて、様々な手続きが簡素化されています。FAXや紙ベースでのやりとりというのも企業間ではほとんどないですし、お店で現金で支払う人もほとんどいないでしょう。ほとんどの人が携帯でピッとやって支払うだけです。その意味ではITは日本より進んでいるかもしれませんが、今回の出来事を受けるとどっちが真の意味でIT先進国・後進国なのかわかりません。
洪水
先週の金曜日(2022年10月14日)ですが、メルボルンがあるVIC州で大雨により多くの川が氾濫。主にVIC州の北部地域で川の氾濫により洪水で道路や住宅が浸水し、道路が封鎖されたりボートで救助される姿も。シドニーがあるNSW州でも北部地域で同様の被害が発生。VIC州での今回のような大きな被害は1974年以来と言われています。
パース及びパースから離れたWA州に住んでいた時はこういった出来事はありませんでした。WA州の北部や南部などで何もない真っ平な道路を走っている時は「洪水に注意」と言う看板はよく見かけましたが、サイクロンが通過するブルームなど北部の町を除いては人が生活しているところではこういった事は聞いたことがないです。
今回はメルボルンからかなり離れた場所だけでなく割かしシティに近い地域でも住宅の浸水があり、道路は場所によっては封鎖されていました。降雨量に関しての詳細を発表しているところがなく正確ではありませんが、場所によっては6時間当たりの降雨量が30-50㎜、多いところでは1日に100㎜近い降雨量があったとも報道では言われています。以下は降雨量が多かったとされる地域の3日間の合計の降雨量の情報です。
- Strathbogie North – 221.6 mm.
- Charnwood – 209.4 mm.
- Mt Buffalo Chalet – 160.4 mm.
- Seymour – 155.2 mm
今回のニュースを見てまず事の甚大さにびっくりしました。というのも、先週の金曜日に職場で同僚が雨がやばそうだから遠くに住んでいる人は先に帰った方が良いと促していたのですが、外に出て状況を確認してみると、雨は小雨でポツリポツリ。随分大袈裟だなとその時は思ったのですが、結局その後のニュースの通り同僚の言ってることは正しかったわけです(いや、逆に早めに上がって帰ってたら洪水で動けなくなって救助を求めてた可能性もあるかも)。
しかし、上の通り1日で100㎜の降雨量だと恐らく日本でなら大したことない降雨量ですよね?日本ではちなみに1時間当たりの降雨量が50㎜を超えると「非常に激しい雨=滝のように降る」という表現がされるそうで(気象庁の規定による)、1時間当たりの単位でそれだけの降雨量ということです。近年はそれこそゲリラ豪雨などと呼ばれたり、昨年帰国した時は熱海の山の土砂崩れのニュースとかやってましたけど、あのくらいの豪雨と比べたら今回の出来事はお花にお水を上げる程度のような気が。。。ちなみに下の動画では1時間当たり80㎜の降雨量を再現しています。ゲリラ豪雨の勢いは体感的にはこれよりもすごいような気がします。
考えてみると日本は川が氾濫しないように堤防が設けられていたり、道路なども排水溝が数百メートルとか一定の距離ごとに設けられていると思いますが、ああいうのってこっちで見たことがあまりないような気がします。川なども雨が降っていないときでも結構満水に近い感じで、「雨が降ったら洪水にならないのかな」と思ったことも今回のような出来事があって改めて考えてみるとあります。下の写真も前日に大雨が降ったわけではないのですが、水位はほぼ地上と変わらないことがわかるかと思います。ここに日本のようなゲリラ豪雨が降ったらあっという間に周辺の道路は浸水してしまうのではないかと思います。
日本は実はすごいんじゃない?説
今回の件で感じたのは「日本ってやっぱすげえんじゃない」?ということです。サイバー攻撃にしても日本の人口の約3-4割の人の個人情報が盗まれたなんてことは聞いたことがないですし、洪水にしても多分日本だったら普通の雨程度だと思いますが、日本のように道路に排水溝があったかなと考えると思い出せませんし、川なんかも堤防のあるところも少ないように思えます。
もっともオーストラリアでは1日の間に晴れたり、曇ったり、雨になったりを何度も繰り返すことが多く、日本のように朝から晩まで雨がずっと続くとかそれが数日間続くというのはパースでもシドニーでもメルボルンでもありません。なので、治水・水害に関しての対策があまり取られていないのではないかと感じます。まあオーストラリアは水不足で有名な国でもありますし。これまではそれでも良かったのかもしれませんが、近年は温暖化の影響で洪水も問題視されているオーストラリア。これまでは山火事が自然災害として有名でしたが、今後はこれに洪水も加わるかもしれません。
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