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昨年5月頃までゼロ・コロナ対策が功を奏していたオーストラリア。デルタ株の出現、広がりによりコロナとの共存に舵を切り替えた直後にオミクロン株が出現し、現在はシドニーがあるNSW州で6.3万人、メルボルンがあるVIC州で3.4万人と2つの州だけで約10万人の感染者が出ており、昨年と全く状況が変わってきました。デルタ株が猛威を振るっていた昨年後半あたりまでは、私の周りで感染した人というのはありませんでしたが、オミクロン株の出現で現在では私の知り合いでも感染したという人がポツポツ出始めています(症状は皆軽いようです)。

ゼロ・コロナ対策を実行し、感染者数をほぼゼロに抑え込んでそれを世界に自慢していたオーストラリア政府の面影は今は全くありません。これは政府の対策がダメと言うことでなく、デルタ株の出現によりゼロ・コロナは不可能と判断しコロナとの共存に舵を切った結果で、今まさにそれを実践している最中と言うことだと思います。「だって、コロナとの共存の道を選んだわけだから、規制もがんじがらめにする必要ないし、抑え込む対策の必要もないでしょ?」と言うことだと思います。この対応の切り替わり方や一度決定したらとことんその道に向かっていく姿勢はオーストラリアの特徴だと思います。私もこちらで生活していて、コロナとの共存とはこういうことかと身をもって経験している最中です。

実際に昨年のほぼコロナを抑え込んでいた頃がもうだいぶ昔のことに感じるくらい、コロナ対策、状況がものすごい勢いで変わっています。政府も急激な感染者数の増加に対応するため、ルールの変更を幾度となく行っております。

①PCR検査からRAT検査(抗原検査)へ

前回の投稿でも述べましたが、オミクロン株の出現によりNSW州やVIC州ではPCR検査を受ける人で長蛇の列ができ医療逼迫を引き起こしています。州政府はこれを回避するためにコロナと思われる症状が出た場合はPCRテストでなく、RAT検査を受けるように方針を切り替えました。まずは、RAT検査で簡便的に検査をし、RAT検査で陽性結果だった者はPCR検査で再度検査を受ける形になりました。

しかし、それでも間に合わないためか、RAT検査で陽性反応が出たらPCR検査を受けずPCR検査で陽性反応が出たのと同じとみなす方針に後日変えています。

②スーパーマーケットなどで働く人で濃厚接触者となった場合、症状がなければ引き続き仕事に従事できる

感染者の急増に伴い濃厚接触者の数も急増し、隔離を余儀なくされ仕事に従事できない人も急増しています。現在、町中の多くのお店が働けるスタッフが不足し休業に追い込まれています。ロックダウンは行われていませんが、ロックダウンの頃のように町は閑散としています。大型スーパーも棚に商品を補充するスタッフの不足で、棚がガラガラ、あるいはさみしい様子になっている店舗が多く見られるとニュースで伝えられています。

こうなってくると当然スタッフだけでなく、物流にも影響が出始めてきます。昨日トイレットペーパーを買おうと思ってスーパーに行きましたが、既に棚は空で現在は在庫があっても一人一商品の購入に限定されていて、現在の状況は2020年3月の頃のような状況です。

パン屋さん
Coles (大型スーパー)
Coles (大型スーパー)

この状況を踏まえて、NSW州やVIC州の政府は生活に重要なスーパーなどで従業員が濃厚接触者に該当した場合、RAT検査を受けてコロナの症状がなければ隔離に入らず引き続き仕事に従事できるとルールを変更しました。

また、おとといのVIC州の発表ではこのルールを更に教育、水道光熱関係、交通、物流などの業界にも広げて適用するとしています。

③ホテル隔離の復活(VIC州)

デルタ株が出現した時、感染力の強さだけでなく症状の深刻さも懸念され、ホテル隔離中の感染例もいくつか見られたことから、ホテル隔離では十分な安全を確保できないのではないかという疑問が提示されていました。政府もこれに対応すべくホテル隔離でなくコロナ専用の隔離施設が必要との認識を示し、オーストラリア国内でいくつかコロナ専用の隔離施設を設けることを決めました。

しかし、今回のオミクロン株の急増で病院を訪れる人も急増し、症状は深刻でなく集中治療などの必要がないが体調不良で一定のケアが必要という人に関して、ホテルへ移送してホテルでケアをするというメディ・ホテル(medi-hotel)構想が立ち上げられ。導入されることが決まりました。

今後も感染者数や医療従事者の状況、それらによって影響を受ける人々の生活の状況に応じて、ルールが頻繁に変更されると思います。日本からオーストラリアへ渡航を予定されている方は、最新の情報を各州のウェブサイトなどから得ることをお勧めします。

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