ちょっと重い話になってしまいますが、朝、パソコンを立ち上げて何気なくネットニュースを見て気づいたこと、それは今回の日韓首脳会談の報道です。
MSN(ロイターの記事、英語版)
Japan’s PM tells South Koreans his ‘heart hurts’ over pain caused by occupation (msn.com)
ヤフーニュース(日テレの記事)
【中継】尹大統領…歴史問題より「未来に向けた協力を」 日韓首脳会談が終了(日テレNEWS) – Yahoo!ニュース
両方の記事を読むと視点が正反対であることがわかります。
日本と韓国が歴史認識において大きく隔たりを持っていることは世界でも知らていると思います。そして、それがUSの対中国の戦略に大きな障壁になっていることも。英語の記事(世界に発信されている)ではどちらかというと韓国寄りの視点で伝え、日本の首相が今回韓国での過去の悲劇について同情を示したと書かれていますが、日本語の記事ではその部分については完全に省かれていて、その後に述べられた「未来に向けて協力を」と言う部分しか記事にしていません。もちろん、英語の記事も日本語の記事も色々読んだわけではないので、もしかしたら双方の視点から書かれているのもあるかもしれませんが、上の2つの記事を比較するとまるで正反対と感じずにはおれません。
恐らく首相は「個人的には当時辛い思いをした韓国の人々を思うと胸が痛くなるが、日本の首相としては歴代の首相と同じ立場を引き継いでいく」と言うようなことを述べられたんだと思います。英語の記事は前半部分をそして日本の記事は後半部分を取り上げたのではないでしょうか?
日本でも過去の大戦の時に韓国や中国を侵略して行ったことは学校の歴史の授業で学んで知っている人は多いと思いますが、実際にはそこから東南アジアに進出して、そしてオーストラリアのダーウィン辺りまで日本軍が進出してきたことはオーストラリアでも語られています。私はまだダーウィンに訪れたことがないので、現地の人が日本人の事をどう感じているかわかりませんが、その辺までは学校の日本史の授業ではあまり細かく習ったようには記憶していません(単純に覚えていないだけかもしれませんが)。しかし、当事国の人達は学校で日本の侵略や軍隊の人達がいかに残忍だったかを教わって育ってきています。
オーストラリアにも多くの中国や東南アジアからの移住者がいますが、対面では「二ホンダイスキデス」的な事を言ってくれても、実は心の奥には大戦時の残虐な日本のイメージを持っている人も少なくないですし、親や祖父母から多く聞かされて育ってきて日本の事を良く思っていない人もたくさんいることがわかります。
現在の世界情勢を考えると日本のメディアや教育はこういった伝え方を変えていかないといけないかもしれません。でないと、ワーホリや留学で海外に出ていく日本人が思いもよらないショッキングな出来事をアジア系の人達から受けるかもしれません。これまでは日本が経済や様々なことにおいて強かったので、あまり問題にならなかったかもしれませんが経済的な力関係は変わりつつあり、完全に変わってしまうと韓国のように「あの時の日本は許さない」と公に世界に発信してくる国が増えても不思議ではありません。その時に日本政府は「いや、それについては既に昔の話し合いで決着している」というようなことを言えるでしょうか?
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