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「アジア人は英語がペラペラ。そんな中、日本人は英語が話せない」なんてことを聞いたことがある人もいると思います。

オーストラリアには世界各地、とりわけアジア諸国から多くの人が移住してきます。中国人のみならず、タイ、インド、スリランカ、シンガポール、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、香港、韓国 etc。本当にアジア系移民が多く、彼らの多くは英語がペラペラ。オーストラリアに移住して何年か経っているというのもありますが、そうでなかったとしてもアジア系の人たちは本当にペラペラです。日本人と比べたらその差は明白すぎるくらい明白といっても過言ではないと思いますし、私も彼らと話していて彼らみたいにすらすら言葉が出てくればといつも思いながらしゃべっています。

では、何故日本人は英語が苦手で他のアジア諸国の人たちはペラペラなのでしょうか?

よく日本人はシャイな性格で喋ることに積極的でないとか日本人は文法など気にしながら正確性を求めてしゃべろうとするから流暢に話せないという人がいますが、確かに日本人のシャイな部分、完璧さを求める部分がペラペラ喋れるようになるレベルに到達する障害になっていることは部分的にあるかもしれません。しかし、それがペラペラ喋れるレベルに到達するまでの時間を遅らせる原因になったとしても、ペラペラ喋れなくさせているということはないですし、現にペラペラ喋れる日本人だって多くいます。なので、それがアジア系の人たちがペラペラ喋れて日本人がペラペラ喋れないという大きな理由になっているというのはあまりにも短絡的な結論で、実際にはもっと大きな別の理由があります。その主な理由は以下の2点です。

①かつてイギリスの植民地で、国内で英語が公用語となっていた(独立しても利便性の観点から引き続き英語が公用語になっている)

②国内に様々な民族がいて、それぞれがそれぞれの言語を普段使用しているため違う民族間でコミュニケーションが必要な場合共通語が必要になる。その共通語として英語が採用された。

シンガポール、インド、香港などはイギリスの旧植民地の代表的なアジア圏の国で英語が公用語のひとつになっています。インドには国内に数百の民族がいてそれぞれ自分たちの民族の言葉が普段話されているので他の民族とは英語が共通語として使われていると言われています。マレーシア、フィリピン、シンガポールなども同様の理由で英語が共通語として日々使われているそうです。知り合いの中国人の話では最近中国国内でも若い人たちの間では、他の民族と話すときは英語が手っ取り早いので英語で話し合う場合もあると言っています。

アジア系の人たちが英語がペラペラなのは、普段日常生活で使う必要があるからです。日本では日本人同士、例えば九州の人と東北の人が話すときに英語を使う必要はありません。九州の人は普段博多弁、長崎弁などその土地の言葉を使用していますが他の地域の人と話すときは(東京ベースの)標準語を話しますし、東北の人たちも同様です。お互いに標準語を国語の授業で習っているから標準語も喋れるわけです。アジア諸国ではこの標準語に相当する言葉が英語になっている国が多いのです。

決して日本人特有の性格が妨げとなっているわけではありませんし、ペラペラ喋れないからと言って何故とか引け目に感じる必要もありません。日本人が英語に苦手意識を感じる一方、日本語がすごく難しいと感じる外国人も同様に多くいます。文法が全然違いますし、使っている文字も違う。全てが一から学ばないといけません。だから、日本人が英語を苦手に感じるのはごく自然な現象です。

そして、アジア系の人たちは陽気でとにかくよくしゃべる一方、訛りはひどいですし、文法やスペルも間違っていたりよくよく聞いていると彼らの英語は結構ブロークンであったりします。要は他の民族とのコミュニケーションで要点が伝われさえすればよいから通じればよい、文法の正確さなどは大きな問題にならないわけです。考えてみてください。仮に日本人同士で英語で喋るなら、ネイティブのような発音で関係代名詞などを多用した長い文章の英語より、日本語訛りの発音で単語単語で要点だけを伝えた方が伝わると思いませんか?アジア系の人たちがペラペラ喋る姿はすごく英語の習熟度が高いように映りますが、日本人が喋ることに苦手意識を持つ人が多いのと同じく、彼らの多くが実は文法を苦手にしていてIELTSなど英語の試験の時は非常に重い空気になったりナーバスになる人が多いです。

英語がペラペラ喋れるようになるにはとにかく喋る量が必要です。しかし、自分の知っている単語の量が少なければ言葉につまることも出てきますし、文法を知らないよりは知っていた方がネイティブのようにすらすら喋れる手助けになるのは間違いありません。

また、日常会話と学校で使う英語、仕事で使う英語もそれぞれちがってくるので幅広く覚える、触れることが必要です。英語であろうが日本語であろうがどの国の言葉であれ、ネイティブはあらゆるシチュエーションの言葉に触れているから喋れるわけです。日常会話はペラペラだけど保険の話や税金あるいは政治の話になると途端に口をつぐんでしまうなんて人もいると思います(日本語でなら大学生、社会人になったら日本国内でもそのような話はしますよね?)。

日本の中学校や高校で習う英語は使えないと言いますが、これも安易な考えだと思います。何故なら私たちが海外に出て行って英語を使う場合、それらは留学で大学の授業についていけるための英語であったり、海外駐在でビジネスで仕事を適正に遂行するための英語だからです(毎日海外で現地の人たちと朝から夜まで遊ぶだけなんて人はいませんよね?)。それらは日常会話のようなくだけた簡単な文章ではありませんし、日本の中学、高校で習う英語はまさにそこをポイントにしているのではないでしょうか?逆に日常会話は現地で生活を始めれば少しずつ覚えていけます(覚えるための努力は必要ですが)。

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