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日本では今、日大アメフト部の悪質タックルが問題になっているようですね。

Youtubeで映像を見ましたが、ひどいの一言に尽きると思います。私は小学校から大学にかけて部活やサークルなどで野球やバスケなどの球技をやっていましたが、当時の体育会系的な感覚でみてもこのタックルはあり得ないと思います。「一昔前なら許されていた」というものでは決してありません。100%悪質。こんなのはスポーツのアニメやスクールウォーズなどのスポコンドラマで登場する悪役選手がやるプレーで、現実の試合で見るなんてびっくりです。

メディアの報道を見ると試合前日に監督から選手に対して、相手選手一人くらいつぶせないような選手は1軍の試合には出せないといった発言があったとか、監督は大学の常務で人事権を握っていて大学で物申せる人はいないほど強大な権力を有していることがこういうプレイを誘発させたのではと伝えています。

しかし、この話は外資系企業や海外の企業で働いているとちょっとわかりにくいです。何故なら外資系企業や海外の企業では人事はあくまで各部署の人事面での補佐的な役割を担っているからで、人事が直接各部署の従業員の評価をしたり、採用の選別、決定をしたりすることはないからです。それらは各部署の部署長が決めます。もちろん人事のプロとして、部署長に「従業員のこういうところも評価してあげた方が良いのでは」とかアドバイスはしますし、求人募集を出したり、応募者の履歴書を受理してまとめたり、採用のオファーレターや雇用契約書の作成を各部署長のためにしたり、トレーニングをアレンジしたりとコーディネイトはします。

人事が主体となってやることは、トレーニングプランを作成して実践したり、職場で悩みを抱えている従業員の相談に乗ったり、職場でセクハラ、パワハラなどがないか監視したり、各部署の上司と部下が円滑にコミュニケーションがとれていてスムーズに仕事が進んでいるかとか、職場での従業員の満足度を調査したり、最近ではCSRに力を入れている会社では人事が先頭に立って進めたりなど主に職場の環境を健全に保つことが役割です。

恐らく日本では新卒一括採用が主流で、人事が一括で新卒を採用して人事が各部署に新入社員を振り分け、また、本人の適性を見極めるためにいくつかの部署を経験させるというのもよくあります(会社としても専門性より総合力を求めるところも多いと思います)。それらの決定を人事が主体となって行っているため、その弊害として人事が巨大な権利を有する可能性が出てくる、そのような気がします。

海外では新卒一括採用というのはなく(なので新卒の就職活動が一番大変)、各部署で欠員が出た時にしか募集を出さないのが基本です。それ故その空いたポジションの業務を適正にこなしてくれる専門性を持った人を求人するので、人事が求人募集出したり、履歴書の受理や管理、応募者との面接の日時の打ち合わせなどのコーディネイトしますが、採用の決定はその部署長が行います。

どちらが良いかは一概には言えないと思います。海外では即戦力重視、1,2年で転職は珍しくないですし、本人のパフォーマンスが良くなかったり、業績が悪くなればすぐレイオフというのが当たり前の国では、雇用という観点での働く側のリスク、ストレスは日本より多いと思いますし、日本の一から従業員を育てて長い目で見るというのを称賛する海外企業も実は多かったりします。

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