パース及び西オーストラリア州に住み始めてもうすぐ5年になろうとしています。
私は学生時代にアメリカに5か月間語学留学した経験があり、以来、ずっとアメリカで生活することを夢見てきましたが、縁があって現在同じ英語圏であるオーストラリアに住んでいます。
アメリカでの生活は短期なので一概にアメリカと比較するのは難しいですが、5年住んでみてオーストラリアの特徴みたいなものが少しずつ分かり始めてきました。あくまで私の西オーストラリア州での経験なので他の方からしたら、「いや、違う」とか「そんなこともない」と感じる部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。
①英語
オージーイングリッシュと言われるだけあってさすがにアメリカ英語と違う部分はたくさんあります。しかし、英語であることに変わりはないので、アメリカ人とオーストラリア人で話し合っても話が通じないというのはないですが、それでもたまに「えっ、何て?」とか「こっちではそういう方しないの?」とか時々あるようです。日本で例えるなら関西人と関東人がしゃべるような感じでしょう。
②フレンドリー
オージーに限らずオーストラリアで生活している移民の人たちも含めて本当にフレンドリー。街中で知らない人たちでも普通に話しかけたり、会話をする光景は日本でもアメリカでも見かけられません。オーストラリアに旅行したアメリカ人 Youtuber の動画を見ても、彼らの多くの人たちがこの点をアメリカとの違う良い点として挙げています。他の国ではそもそも見知らぬ人とコミュニケーションを取る文化がなかったり、セキュリティの観点から知らない人と話すのは危険という認識があると思いますが、それがまるでないかのようなオーストラリア。いや、大阪のおばちゃんは例外でしょうか?笑
③コーヒー文化
オーストラリアはイタリア系移民がメルボルンやシドニーに移り住んだ際に持ち込んだエスプレッソ式のコーヒーが根付いています。
家にエスプレッソマシンがある家庭も珍しくなく、自分でマシンを操作してコーヒーを作る人も少なくありません。アメリカではスターバックスをはじめとするシアトル系コーヒーがエスプレッソ式のコーヒーを出していて、現在は全米に広がっていますが、それ以外はドリップ式のコーヒーの国。日本もドトールやベローチェ、ルノアールをはじめとしてドリップ式が主流ですよね。
そして、オーストラリアのカフェの特徴は個人経営の店が日本のコンビニ並みに至る所にあるところ。どこのカフェでも質の高いおいしいコーヒーを頂くことができ、あのスターバックスもオーストラリアに進出してきましたが、進出当初に店舗を一時的に拡大したものの、ほどなく撤退を決意せざるを得なくなるほどオーストラリアのコーヒーのレベルは高いと多くの人が絶賛しています(スターバックスは現在フランチャイズとしてオーストラリアの企業がシドニーを中心に数店舗運営しています)。
④新鮮な食材/料理のクォリティ
オーストラリアは農業大国。そのためか食材は新鮮なものが多いですし、とてもおいしいです。日本でも新鮮な食材は手に入りますが、こちらの乳製品は濃厚で日本のそれよりもおいしいと感じますし、オレンジジュースなどのジュース類なども濃厚です。日本のような果汁数%とか薄いジュースを見たことがないですし、胡椒なども非常に風味がすばらしく日本の大手メーカーの100円台で買えるような粉状の胡椒とは比べるにも値せず、ちょっと高めのメーカーのものと比べてもやはりオーストラリアの胡椒はとにかく味、風味がすばらしいです。オーストラリアに来て日本の食品が安価だけど質の劣るものということがよくわかりました。アメリカ人 Youtuber などもこの点について認めている人も多く、「オーストラリアを旅行中、Woolworth や Coles に毎日買い物に行くのが楽しかった」という人もいるくらいです。
また、オーストラリアのレストランや飲食店は日本と比べても本当においしいと思います。日本では、地方は一概に言えませんが、都心などでは近所の飲食店というと父ちゃん母ちゃんが経営している中華屋さんとか、あるいは企業でやっているチェーン店系の店でも出される料理は家庭料理の延長上の料理というお店が少なくないと思います。オーストラリアでは特にシドニーやメルボルンなどの大都市やその周辺の町あたりではまず下手な料理を出す店はなく(ゼロとは言いませんが)、一口食べてみて家庭で作れる味でないとすぐ感じる料理を大抵の店で楽しめますし、評判の店となると日本の高級ホテルのレストランや老舗の料亭などと遜色のないびっくりするくらいおいしいものが普通に街中のレストランで楽しめることもしばしばです。アメリカ人 Youtuber たちも「とにかく料理がおいしい」、「アメリカと比べて東南アジア系の料理が至る所にある。でも、どこも味がすごくおいしい。」、「アメリカがいかにジャンクフードで埋め尽くされているかわかった」と言っています。
⑤サービスの質
反対にアメリカ人 Youtuber たちの多くが感じたのがレストランなどでのウェイター/ウェイトレスのサービスの質の低さ。「料理が出てくるまでに時間がかかりすぎる。」、「(アメリカと比べて)態度がそっけない」。「オーダー頼みたくて呼ぼうとしても気づいてもらえない」など、ストレスを感じることが多いようです。彼らはアメリカではチップの制度があるのでスタッフはすごく精力的にサービスをするけどオーストラリアにはチップがないからスタッフは精力的に働かないと原因を分析しています。日本もチップの制度はないですが、それでもサービスのレベルは非常に高いですし、吉野家などの迅速なサービスや「お客様は神様」的な精神が根付いているので、同じようにサービスの質の低さを感じると思います。
⑥オーストラリア人の「yes/maybe/no」
最後に興味を持ったのが、アメリカ人 Youtuber が感じたアメリカ人と異なるオーストラリア人の「yes/maybe/no」。
例えば友達から飲みやコンサート、スポーツ観戦などの誘いがあった時に、アメリカ人の場合はその時点で予定がはっきりしていなかったり、まだ行きたいか行きたくないか気持ちがはっきりしていないときには maybe を使う人が多いそうです。でも、彼らが感じたのがオーストラリアでは とにかく yes とその場では言わないといけない空気があるということ。実際にオージーが yes とその場で返事をして、当日都合が悪くなったなど言い訳をしてキャンセルするパターンが多い、アメリカではあまりそういうのを経験しないと述べています。そしてオージーに対して maybe を使うと、「俺の誘いを断るなんて」といった感じで、その後一切お誘いが来なくなるとも言っています。
この点に関しては、私の周りではどうかなと考えた時、そう言われてみると確かにそうかなと思える時もあるような気がしますし、そうでもないかもと感じる時もあります。
ただ、私が5年こちらに住んでみて感じるオーストラリア人とアメリカ人の違いは同じ白人でもオーストラリア人は常に人とつるんでないと寂しがる。仲間意識や助け合いの精神も強く、学生時代からの友人などとも社会人になってからも付き合いがある人も多いと思いますし、基本的に地元大好きですし、他の州や同じ州でも離れた町に引っ越したりするのが嫌いで、キャリアステップなどで移動せざるを得ないことがあっても、2,3年後には地元に帰りたいと考えている人が多いです。対してアメリカは個人主義でLAやNYなどの大都市出身の人は違うかもしれませんが、基本的には地元の大学を卒業したら仕事を求めて頻繁に引越・移動をしますし(でないと生涯地元で過ごすことになりかねないと感じる人が多い)、学生時代や生まれ育った町の仲間と社会人になってもずっと連絡を取り合ったり時々会ったりするという人は少ないのではないかと思います。
そういう違いからか、オージーは日本人と同じようにかなり空気を読んで人との和を重んじる人が多いように感じますし(誤解がないように。アメリカ人も他の国の人ももちろん必要な場所ではちゃんと空気を読みます!オージーでも空気を読まない人もいます。笑)、大勢で意見を述べ合っている場では、「私は○○だと思う」といっても、その後2,3人になった時に「私は本当はxxだと思う」と違うことを言っている場面を見たこともあります。この点に関してはアメリカ人の方がやはり開拓精神や自分の道は自分の力で切り開くという個人主義の考えが強い人が多いように思え、自分の考えや意見に対してすごく素直な発言をしますし、スポーツなどでも腕がある人や偉大な功績を残した人へに対しては人種や損得勘定抜きに無条件で尊敬や敬意を表すと思います。
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