オーストラリアに移住して7年が過ぎました。海外移住をしたい、海外で生活してみたいと思っている方からすると「羨ましい」とか「どうやって実現したの?」と思われるかもしれませんが、私自身も小さい頃から夢見ていたことなので、現実になるまでは同じように思っていましたし、まさか実現してこれだけ長い期間海外で生活することができるとはこれっぽっちも思っていなかったくらいです。
実際にオーストラリアに渡ってからも永住権を取るまでは「仕事が首になって日本に帰ることになるのでは?」という不安は常にありましたし、過去7年の間には様々なことを経験しているので簡潔に説明することはできませんが、自分がどうやって海外移住を実現することが出来たかを述べることはできるかと思います。
さて、海外移住というとどういうことを想像するでしょうか?
- 南の島で海の近くでのんびりと?
- 金持ちのセカンドホーム?
- 老後の第二の人生、生活場所?
- 外国人のパートナーと人生を歩んでいくための場所?
- 留学やワーキングホリデー?
理由は様々だと思いますが、現在多くの海外在住の日本人は
- パートナーと現地で生活をするため
- 海外でのんびり暮らすため
- 仕事で駐在員として
- 留学などを通じて先進の知識を得るため
- ワーホリなどで視野を広げるため
のいずれかだと思います。移住に限った場合、日本人の場合、この中で圧倒的に多いのが、外国人の旦那さんと現地で暮らす女性だそうで、後は日本経済がバブルで今の中国のように力強かった頃に海外に家を購入してそのまま移住された方々ではないでしょうか?
私は幸運にも現地企業で仕事をゲットできてサラリーマン生活を送っているので、新型コロナ以前であれば平日は働き週末は休むという日本で生活しているのと何ら変わるところがなくレアケースだと思います(もちろん町の雰囲気や話す言葉、普段会う人が日本人でないことなどの違いはありますが、今はそれも日々の当たり前のことになっています)。
最近は海外就職や海外移住に興味がある人も増えてきていると思いますので、現在は新型コロナの問題で実現するのは難しいですが、アフターコロナにどうやって実現していくか対策を今から練って備えておくのは重要なことだと思います。
海外移住に必要なもの
- 永住権あるいはそれに準ずるもの
- 仕事
- 言語
飛行機のチケットをゲットして海外に行く。それだけでは外国にずっと暮らしていくことはできません。どの国も外国人が自分の国で生活することに制限を課しています。それがなければ、例えば人口14億近くを抱える中国から1億人くらい日本にやってきて定住するなんてこともありうるかもしれません。そうしたら日本人は仕事をゲットできない、日々の生活でも日本語より中国語が必要になってくるなど困る場面が出てきます。どこの国の政府も自国民の生活を保障するために外国人にはビザ(査証)を発行して、ビザを持っている人に限りそのビザの権限の範囲内で住むことを認めるという形で制限を課しています。
その中で永住権はその国で住む期間について制限を課さないビザです。日本人に限らず全ての外国人にとって海外移住を夢見る人には水戸黄門の印籠や究極奥義のようなもので、喉から手が出るほど欲しいものですが、上述のように自国民の生活や雇用を守るためにビザの中でも取得するのに最もハードルが高いものとなっています。
そして、その国に長く住んでいくためには仕事をして安定した収入を得ることが必要です。海外に出れば言葉のハンデや現地の人たちとの常識、嗜好の違いなどで現地で仕事をゲットするのにかなりのハンデがあり、現地の人を差し置いて自分が選ばれるようになるためには、それだけのメリットが自分になければ会社に採用してもらえません。
考えてみてください。日本で外国人を雇いました。対面で口頭で指示を出した時にうんうんとうなずいてたけど実際には指示したことと違うことをしていてどうも言葉が完璧には通じていないんじゃないかとか、出社は毎日始業時間ギリギリ、時には5分くらい遅れるけど退社はいつも時間きっちりで、やたら病欠が多くて仮病じゃないか?あるいはチームプレイは一切なく自己アピールは一生懸命という感じだったら、日本の会社からすると職場の雰囲気も悪くなりそういう状況は避けたいですよね。日本人なら常識でそういうのは良くないと心得ているので、そもそも口で説明する必要もないと思います。小さいことと思う人もいるかと思いますが、こういったことは会社側からすると徐々に負のエネルギーが大きくなり職場の管理も難しくなってくるので、最初から同じ常識や嗜好を持っている日本人を雇う方が楽なわけです。海外に行けば我々が外国人になり採用選考の際にそういう点も考慮されることもあると思います。
そして、言葉は最低限ビジネスレベル、また現地の人にないスキルを持っていることが必須です。最近は多くの海外をテーマにしたサイトや Youtube でもこのようなことが言われていますが、現在でもこれらを全て兼ね備えた段階で海外に出ていくという日本人はほぼいないと思います。実際に海外に出て言葉のハンデを感じている人がほとんどですし、多くの人が日本人であるという利点を活かして日本と関係のある仕事に携わっていて、現地企業で現地の人ばかりに囲まれて仕事をするというのは夢のまた夢というのが実情だと思います。
もし、本気で海外就職がしたい、海外移住をしたいと考えているならば、新型コロナで動けない今を有効活用して自分を磨くことが大切だと思います。日本人にとって外国語の習得はハードルが高いですが、言葉にハンデがあるというのは外国で生活や仕事をしていくにはあまりにも力不足です。特に移民大国の国には世界中から移住してきます。競争相手がそれだけ増えるわけです。
よく、ワーホリや留学でとりあえず現地に渡り、その後に就労ビザや永住権を狙う人がいます。ワーホリビザや学生ビザでは滞在期間や就労に制限があり、求人広告では永住権保持者のみとか優先・歓迎など記載されていることも少なくなく、現地企業での仕事をゲットしたいと考えていても、そもそも応募自体も出来ないことも多々あり、そういう方からすると「自分も永住権さえあれば、現地企業に応募して仕事をゲットできて現地での生活の幅も広がるだろうに」と思う人もいますが、実際に「永住権取れた!」と喜んだあとに、なのに仕事がゲットできないという現実に直面する人も少なくありません。
それは上述の通りそこには厳しい競争が待ち構えているからです。永住権を取る前はスタートラインにすら立てなく知る由すらなかったこと。スタートラインに立てたことで、ものすごい数の競争相手が目の前にいることにその時初めて気づき、そこで初めて熾烈な競争に勝ち抜いていかなければならないという現実に直面し、圧倒されます。アジア系の人は英語もペラペラで言葉のハンデがほとんどないという人も少なくなく、言葉だけ見たら日本人は圧倒的に不利で実際に多くのアジア系の人たちが日本人をよそに現地企業での仕事をゲットしています。日本人にとって現地企業で働くのは夢のまた夢という状況はアジア系の人たちがどんどん勝ち取っているという現実の裏返しでもあるかもしれません。
言葉だけではありません。彼らも日本人と同じように海外の大学や大学院に留学し卒業後現地で仕事をゲットしようとしています。80年代、90年代は日本から多くの人がエリートを目指すべくアメリカやヨーロッパの大学、大学院に留学して先進の知識を得ていったと思いますが、現在、アジア諸国でそれが起きていると思います。中国や韓国はもちろんマレーシア、フィリピン、ベトナム、タイ、ネパール、インドネシア、インド、スリランカなど。先進国に留学して、現地で就職して母国に仕送りするあるいは実務経験も数年積んで、それを肩書に母国の大手企業の要職をゲットする。
なので、日本で十分すぎるくらい準備をするというのはとても重要なことです。仕事のスキルなら会社で一番と評価されるくらい、英語力ならTOEICで最低でも900点台というくらいに磨き上げましょう。それ以前の段階で海外に渡れば就職活動では苦戦することを覚悟しておきましょう。
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