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今朝、いつも行く床屋に散髪に行きました。そこの店主は日本大好きな人で5月に旅行で日本にいくそうですが、「日本で海鮮丼が8,000円するって話聞いたけど本当?」と聞かれました。日本に旅行に行った時に豊洲の市場にも行くらしいんですが、私も「そのニュース見たけどどう思う?」と聞き返すと、「高い!」の一言。「何か最近外国人旅行者をターゲットにして日本めちゃめちゃ高くなっているって聞く」と言ってました。

その店主がどのニュースを見たのかわからないのですが、仮に梅沢富美男さんの記事と想像して、単純に「海鮮丼=8,000円」と聞くと高いです。超一流店や高級店ならわかりますが、以前は3,000円で売られていたという事なので、函館の観光地で3,000円なら一流店や高級店というよりも一般的なお店かそれよりちょっとお高めな感じのお店なのではないかと想像します。私も札幌の市場で10年以上前に海鮮丼を食べたことがありますが2,000円くらいしてたと記憶しています(あるいは2,500円くらいしたかもしれません)。高いなと思いましたが観光地プライスということで仕様がないと感じたのを今でも覚えています。

ホリエモンが Youtube で「梅沢富美男さんが余市だったか函館のお店で『海鮮丼が8,000円した。いくら何でも高すぎる。二度と(その店に)行くか』と言ってるけど、今までの日本の海産物の価格が異常に安すぎただけ。飲食店からするとこういう人は迷惑。食べたくなければ行かなければ良いだけの事」と言ってますが、果たしてどうでしょう?

オーストラリアの飲食店での相場は?

世界でも1、2を争う物価高の国のオーストラリア。「あらゆるものが高い中で、外食は特に高い」と多くのワーホリ、留学生が Youtube で言っていると思います。私の肌感覚ですが2024年3月現在では外食の相場は以下のようになるのではないかと思います。

場所価格帯
フードコート、テイクアウト店メイン一品で1,500円越えは普通。
飲み物などを付ければ2,000円越えは確実。
ハンバーガーチェーン店ハンバーガー、ポテト、飲み物のセットで
1,000~1,500円くらい。
カジュアルレストラン-昼メイン一品で2,000円から3,000円。
他にも色々付ければ更に高くなる。
カジュアルレストラン-夜メイン一品で4,000円前後くらいから。
前菜、アルコールなど付けると10,000円
くらいになることも普通。
日系ラーメン店ラーメン一品で2,000円から3,000円。
餃子、ビールなどを付ければ4,000円越えは覚悟。
高級店・超一流店最低でも10,000円以上することは覚悟。
お店のグレードなどにもよるが、2万円から
4万円くらいしたとしても驚かないかも
(あまり行った事がないので不正確ですが)。
魚の切り身ー魚屋・スーパーサーモンや白身魚で300gくらいで
1,000円前後
回転ずし1皿300円くらいからサーモンの握りとか
なら500円ほど。
生牡蠣12個入り2,000円~2,500円
刺身10切れ(鮪、サーモン)1,200円ほど

上の表の通り、世界でも有数の物価高のオーストラリアでもこんな感じだと思います。であるならば、海鮮丼8,000円は高級店でない限りやはり高い。上述の床屋の店主も「高い」ときっぱり言ってた通りです。ただ、払うか払わないかと聞いたら払うと言ってました。「日本の魚は本当に新鮮でおいしいと思うし、日本でしか経験できないから」というのが理由です。

オーストラリアでも海産物は人気ですが、せいぜいまぐろ、サーモン、白身魚、牡蠣くらいでしょうか?日本のように魚種が豊富ではありません。そして、上の表の通り海産物も日本と比べたら異常に高いです。回転ずしならサーモン5皿食べるだけで、2,500円ほどします。ホリエモンの「これまでが日本は異常に安かった」というのは同意しますが、海鮮丼8,000円が高いという意見を否定するのはちょっと言い過ぎ、短絡的な見解な気もします。払うか払わないかは別として海鮮丼8,000円はアメリカ人やヨーロッパ人から見ても高いと思うと思います。じゃあ適正価格はいくらなんだと言われると、それは各お店の目標利益などにもよるので私からいくらという事はできませんが、オーストラリアからの旅行者としてこの金額でこんなおいしいものを食べられて満足と思える金額(value for money)は、私個人的な感覚では一般的なお店なら4,000円~5,000円までじゃないでしょうか?8,000円となると富裕層が食べるものという雰囲気がまとわりついてくると思います。

海鮮丼を8,000円で出すと期待値は相当上がる

以上を踏まえると、海鮮丼を8,000円で出すなら相当の質のネタで出さなければならないと思います。別に大間のマグロとか値段が高いものを出す必要はありません。そのお店が持っている在庫の中で上得意にしか出さないような良いネタであることが必要だと思います。脂が乗っていて新鮮で食べた瞬間「やばいくらいおいしい」と思わせられないと、インバウンドのお客さんの満足感は得られないどころか低評価が一気に広がっていくのではないでしょうか?今やTrip Advisor や Yelp、グーグルマップなどで気軽に検索できる時代です。当然、事前にチェックするでしょうし、日本や日本語に慣れていない外国人なら猶更そういうツールを駆使して事前に他の外国人旅行者の評価をチェックすると思います。

私も場外市場や市場内の食堂で食べたこともありますが、正直どのお店もめちゃめちゃおいしいものを出すとは思えません。市場関係者ならどこがおいしいというのはもちろん知っていますし、いくら日本が海産物がおいしいと言っても生鮮食品なので仕入れるものには良いネタ、普通のネタ、あまりよくないネタが混在し、出す側としても全てのお客さんにそのお店で一番の物を出すというのはできないわけです。

また、昔から日本あるあるな産地偽装。「外人なんか舌超えてないし、魚の味なんかわからないだろう」という感じで、適当なネタを出すと返って逆効果です。オーストラリアに関して言えばヨーロッパや中国、東南アジアそして日本からも一流のシェフがやって来て高級店なんかは値段は高くても他では食べられないような超絶うまい「本物の料理」を出すお店はたくさんあります。オーストラリアはお店を出すにはちゃんと料理学校などで資格を取らないといけないので、日本の町中華のような「近所の父ちゃん(母ちゃん)が作ったような」ものは出てきません。ちゃんと調理技術を学校で学んだシェフが作った料理が出てきて、地方は別としてシドニーやメルボルンなどの都市部にあるカジュアルなレストランに関しては日本よりレベルが高いのではないかとすら思えます。仮に魚の味には精通してなくても「本物の味」を知っている人は日本人より多いかもしれません。

美味しい魚を楽しめるのは日本だけではない

日本は海に囲まれ、昔からたくさんの魚が食べられてきました。日本=海鮮が新鮮でおいしいというのは間違いではありません。ただ、じゃあ日本でしか食べられないかというとそうとも言えません。もちろん日本でしか食べられない魚種というのは非常にたくさんありますし、脂が乗って本当に新鮮なものは体がとろけてしまうくらいおいしいです。

しかし、回転ずしなど安価な店はどうでしょうか?私も以前に投稿していますが、最近は日本のお店の方がおいしくないように感じることが多いです。

オーストラリアのお寿司 | Hiro-M’s

オーストラリアに関して言えばサーモンや牡蠣は近場の漁場で取れるのでサーモンなら脂が乗って新鮮ですし、牡蠣も日本のよりは小ぶりですが日本と同じように濃厚な味で生で食べられます。

また、以前にベトナムに旅行に行きましたが、ベトナムの観光地で食べた海産物も美味しかったです。観光地プライスなので1皿300円から高いので500円とかもうちょっとしたと思いますが、それでもそんなもんです。

フーコック島 旅行 観光 ② | Hiro-M’s

日本人として日本の価値を理解することが重要

海外での日本のイメージは「律儀、まじめ、勤勉、クオリティが高い」などです。日本(人)が海外で評価が高いのは先人たちのこういった姿勢が他の国に見られない部分として評価されてきたわけです。「海外の物価は日本より全然高いらしい」というニュースだけで売値を裏付けや根拠のない無茶苦茶な金額にしてしまうと、バブル期の「日本は何でも異常に高い」というイメージが再び定着して、ブームが過ぎ去ってしまった後はインバウンドの数が激減する可能性も出てくるのではないかと思います。今の日本は90年代ごろまでの日本とは違い世界での存在感はほぼない状況です。世界は基本的にインドや東南アジアに目を向けていることを忘れてはいけません。それらの国は経済的にも発展を続けていますし、インフラが整備されて魅力的な観光地もどんどん増やしてくると思います。「日本は異常に高いし、インド・東南アジアの方が安くて面白そう」とならないことを祈ります。

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